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イチエフから20km以上離れた広野火力発電所に高線量廃棄物の摩訶不思議

 まいど、いまにしです。
 
 イチエフの事故で20kmは警戒区域として、長く立ち入りを制限された。
 20kmからわずかに外れたのが、福島県広野町。20km圏内、楢葉町のすぐ南に位置する。そこには、TEPCOの広野火力発電所がある。
 写真のように、広野町のあちこちから、こんな広野火力発電所の排気塔が見えるわ。
 
 ワシが、入手した内部資料によると、広野火力発電所に山盛り、高線量廃棄物があるというんや。
 
 イチエフの事故で、福島第1原発の敷地や周辺に高線量廃棄物があるのは、ようわかる。まだ中間貯蔵場も決まっていないので、高線量廃棄物は、原則、イチエフなどに置かれている。放射能汚染を拡大させへんためや、これ当然。
 
 それが、なんで、警戒区域でもあらへん、広野火力発電所にあるねん。
 
 ワシはびっくりした。
 入手した<高線量廃棄物の保管方法について>というのを読んで、理由がわかった。
 
【経緯】
 平成23年3月11日以後の福島第一原子力発電所より放出された放射線の影響で「広野火力発電所第6号機増設工事のうち発電所本館建造物及び機械台基礎他新設工事他2件」にて使用していた資材(ネット・シート類)及び廃材等の線量が0.5μSV/h以上となった>と書いてある。
 イチエフの爆発事故で、飛散した放射性物質。それが、放射性物質を含んだ雲、放射性プルームによって運ばれ、広野火力発電所に落下したのだ。
 もともと、放射性物質は、イチエフから北東方面、浪江町や飯舘村に飛散したイチエフの南、広野町などは比較的、大丈夫とされていた。
 それが、ぜんぜん、ちゃう、すっかり汚染されていたことはわかったんや。
内部資料には、<台上モータープール南側 約16立方メートル ネット等 0.8~19.3μSV/h>というとんでもない放射線量が計測されているものもある。
 19.3μSV/hという数値は、年間170mSV/hにもなるがな。
 原発作業員の被ばく量が、年間20mSV/hで設定されているケースが大半。
 とんでもない、高線量やで、これほんまに。
 
 TEPCOの記者会見によういっとる、おしどりマコ(ケンやないで)に聞いたら、「広野火力発電所に高線量廃棄物って、聞いたことない。公表もされてへん」っていうとった。
  

 これおかしいで。
 広野火力発電所に放射性プルームが飛散している。なら、当然、その周辺も同様のことが考えられる。
 広野火力発電所に隣接するように、原発収束の拠点「Jヴィレッジ」がある。写真↓のように近くには、原発作業員の寮もあちこちある。
ea3317be(新広野単身寮)
 
 広野町は住民の帰還を促している。
 いっぱい、放射能がまき散らされているかもしれんところに、原発作業員住まわせ、住民に帰れって、そらおかしいやろう。
 
 広野町のえらいさんに聞いても「なんで、広野火力発電所に高線量廃棄物がありますねん?なにを、言うてますねん」
と知らんかった。
 楢葉町のえらいさんも「広野火力発電所に高線量廃棄物って、イチエフから持ち出した?ちゃうんです? 事故の時の放射性プルームですか? それホンマ? あちこち飛び散っているかもですよ。ちゃんと、調べなえらいことですがな」
 これ、当然のこと。
 
 けど、TEPCOはこれ書いている時点で、公表せんがな。
 「住民帰還ってやっている広野町。高線量廃棄物がばれたら、止まってしまうかもしれんと、公表していないようです。
もうだいぶ前からわかってたのに… あきませんわ」とTEPCOのヤツ、言うとる。
 
 ほんま、こいつら、どこまでのワルなんやろうか…
 
(今西憲之/文と写真)<t>