労働者の性・人種差別を砂糖で表現 ドミノ製糖工場跡でシュガーアート
マンハッタンの中心部から地下鉄で約30分。今、若いアーティストやクリエーターが集う街・ブルックリンのウィリアムズバーグにあるドミノ製糖工場跡(316kent ave.brooklyn)で砂糖を使ったアートの展覧会「A Subtlety or the Marvelous Suger Baby」が開かれている。
同工場は、1856年に建てられ、2004年に閉鎖。南北戦争末期には約4千人が働き、世界一の精製量を誇った。中に入ると今も甘い砂糖の香りが漂う。砂糖のアート作品を見ようと工場前には、連日、長い列ができている。
ニューヨーク在住のアフリカ系米国人アーティスト、カラ・ウォーカーが自身初となるパブリック・アートを制作。白砂糖で作られた女性労働者の巨大スフィンクス像や、サトウキビ畑で働く子供達の像が展示されている。女性の何も覆われていない胸や尻は、奴隷制度や性・人種差別への批判を表している。
同工場跡は、2010年に再開発が決まり、住宅と商業スペースの建設が計画されている。長い年月をかけて砂糖が染み込んだ壁や機械は趣がある。工事前に一見の価値はありそうだ。
一般公開は、7月6日まで。(7月4日は閉館)金曜日午後4〜8時、土・日曜日午後12〜6時まで。入場無料。
詳細はcreative.org/karawalker
(前田真里/文・写真)