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健康調査で鼻血多発していた【福島県・双葉町】

 福島県双葉町が平成24年11月に疫学調査を実施し鼻血や疲れやすいなどの症状を含む健康調査に関する報告を受けていたことがわかった。
 
 「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)」が2014年5月20日、HP上で「低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査 ―調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較― 」と題する報告書を公開した。

 

 この調査はSAFLANがコーディネイトし、岡山大学の津田敏秀教授、頼藤貴志准教授らのグループが主体となって、双葉町等が参加して行われたもので、調査対象者は平成24年11月時点での住民、福島県双葉町7,056名、宮城県丸森町筆甫地区733名、滋賀県長浜市木之本町6,730名で、自記式質問票を用いて行われた。

 

 調査報告書の中で
≪平成24年11月時点でも様々な症状が双葉町住民では多く、双葉町・丸森町ともに特に多かったのは鼻血であった。≫とし、≪今後、より詳細な被ばく量の推定や、住民の健康状況の追跡が必要になると思われる。≫と、報告がされていた。

 

 また、平成25年9月18日に行われた「平成25年双葉町議会第3回定例会行政報告」の中で双葉町は、
≪疫学調査につきましては、8月28日、岡山大学大学院環境生命科学研究科のご協力により、住民の健康状態に関する調査の報告会を実施いたしました。これは、昨年の11月、双葉町、滋賀県長浜市旧木之本町及び宮城県丸森町の住民を対象に調査を行い、比較検討を行ったものであります。町民の健康状態については、他の自治体の住民と比べ様々な疾患の多発が認められ、さらに精神的な症状を訴える方が多くなっているという報告をいただきました。これらを踏まえ、町としても関係機関の協力を得ながら、町民のよりよいサポートに当たってまいります。≫ などとし、調査報告が行われたことを明らかにしている。

 

 SAFLANは同HP上で
≪いわゆる美味しんぼ問題をめぐっては、因果関係や風評被害の有無等について様々な議論がなされていますが、その議論の前提として、まずは当該地域における鼻血等の多発の有無に関する具体的なデータが必要だと考えます。≫と主張し議論の一助となることを願っている。

 
(Daily NOBORDER編集部)
写真: Kuha455405 (Own work (本人撮影)) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commons