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内部告発の西宮冷蔵が倒産の危機 「関電に引導を渡されそうです」(今西 憲之)

まいど、いまにしです。

2001年1月、BSE(狂牛病)に罹患した国産牛が発見され、パニックになった。その際、政府が国産牛肉を買い取り、処分することになったんや。この制度を悪用して、価格の安い輸入牛肉を国産牛肉と偽り、買い取り申請して、現金を懐に入れるというする事例が山盛りやった。食肉大手のハンナンなど、続々と立件された。

その突破口を開いたのが、2002年1月、兵庫県西宮市の西宮冷蔵が内部告発した、雪印食品の偽装牛肉事件だった。

以来、ワシは内部告発した、水谷洋一社長をずっと追いかけた。その奮闘ぶりは、内部告発 権力者に弓を引いた三人の男たち(鹿砦社)にまとめて、書いた通りや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内部告発で注目された、西宮冷蔵。だが、会社は傾いていった。

西宮冷蔵に荷物を預けると、インチキがばれてしまう。そんな風評で、荷主は減っていき、2002年11月には、営業停止に追い込まれた。それでも、カンパをかき集めて、営業再開した西宮冷蔵。

だが、昨年から今年にかけて、西宮冷蔵から急に荷物が減っていった。主力だった、中国野菜の業者とトラブルになったからや。「ようするに、怪しいことやっていた。それで、大丈夫かって話をしたら、急に荷物を引き上げる、よそに移すと、いいよるんで、そんな業者はええわ、そうなったんです」と水谷社長は振り返る。

売上は急降下。

冷蔵庫はほとんど空になった。従業員の給料、電気代、保険料などが払えん。この間、水谷社長からは数知れんほど、相談を受けた。なんとか、打開策はないか? 2004年に営業再開した時より、ずっと状況は厳しかった。

「一度、リセットするしかありませんわ」水谷社長は、2週間ほど前、倒産やむなしと電話口で語った。

西宮冷蔵に最後の引導を渡そうとしているのが、関西電力。3か月、電気料金を滞納しており、「今度、払ってくれなければ、電気止めますから」と最後通牒してきたそうな。

「まあ、原発事故で業績がダメなんで、払わんヤツには電気はやらん、止めるって感じでした」と水谷社長は振り返る。冷蔵庫屋で、電気がとまったら、もう終わり。

BSEの補助金対応は明らかな国の失政。水谷社長のおかげで国は何十億円、何百億円の補助金不正を回復できた。それが逆に恨みをかって、倒産寸前。
ほんま、ええ加減にしろよって、思うんはワシだけやないはず。

【ブログ「商売繁盛で笹もってこい!」より】