「美味しんぼ」騒動で批判されるべきは原作者ではない(デイリーノーボーダー編集部)
週刊ビッグコミックスピリッツの連載漫画「美味しんぼ」の“鼻血騒動”で、映画監督らが相次いでコメントを発表している。
「朝日のあたる家」などの映画作品のある太田隆文監督は、今月10日、
〈漫画「美味しんぼ」福島編で鼻血のエピソードを描き、抗議が殺到しているというが、そんな人たちが「朝日(朝日のあたる家)」を見たら卒倒するだろう。福島だけではなく、多くの人が311以降に鼻血を流し、健康不良を訴えている。映画の取材でも、同様の証言を数多く得ている。それらをもとに映画を制作した〉
とフェイスブック上で自らの意見を示している。
また、「フタバから遠く離れて」の作品などのある舩橋淳監督も11日、
〈僕自身は「フタバから遠く離れて」の撮影を通し、鼻血が止まらない経験を実際した方は井戸川さん以外あったことがない。しかし、双葉町の仮設住宅で喉がひりひりするという方、頭髪、体毛が抜けたという方には数人会ったことがあり、身体に斑点が出たという話は数度聞いている〉
〈山岡士郎の鼻血イメージばかりをネットで拡散することこそ、状況を悪化させ、福島を貶めることに繋がる。それこそ風評被害であり、僕らは何が実害で、何が風評被害なのか、現実だけを直視する目を磨かなければいけない〉
〈批判されるべきは、漫画の原作者でも、事故の被害者である双葉町でもない〉などと意見を発表している。
このように、福島の取材を重ねていても、鼻血が増えているかどうかについての意見は分かれる。どちらが正しくてどちらかが間違っているということではなく、それぞれが取材を重ねた結果である。
「美味しんぼ」の原作者である雁屋哲氏は、4日の自身のブログで 〈反論は、最後の回まで、お待ちください〉として、〈本格的な反論は、その24が発行されてからにする〉とコメントしている。
【DAILY NOBORDER編集部】