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STAP細胞論文ねつ造疑惑の核心とは?(森 功)

小保方晴子さんの発表したSTAP細胞論文のねつ造疑惑報道を見るにつけ、共著者の若山さんの指摘する通り、問題はやはり2011年2月に当人が書いた博士論文の焼き直しだと感じました。報道では分かりづらいと思いますが、骨髄から採取した細胞を培養し、万能細胞ができたとする当時の博士論文は、ES細胞やiPS細胞の原理と同じで、目新しいものではありません。ところが今度のネイチャー論文では、そのときの写真をSTAP細胞という新しい万能細胞への培養だとして置き換えたものだといいます。だから、「根幹が揺らいでしまった」と若山さんは言うのでしょう。

そう感じたのは、小生がかつて東大初のベンチャー企業として上場した「エフェクター細胞研究所」の取材をした経験から。同社も万能細胞の研究をしていて、研究者は「細胞の培養は職人技で、ときに成功することもある」と話していました。しかし結局、エフェクターは万能細胞を恒常的に作り出すことができず、上場も廃止してしまいました。小保方さんたちはさすがにそれより上を行っていると思います。が、ことの構造は同じではないでしょうか。

【ブログ「森功のブログ」より】