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米韓合同軍事演習で、北朝鮮の最も威力のある攻撃型ロケット(ムスダン)発射はあるか?(辺 真一)

米韓合同軍事演習の第一ラウンド「キーリゾルブ」は何事もなく終了したが、米韓合同軍事演習はこれからが本番だ。上陸訓練など実戦を想定した訓練「フォーイーグル」(~4月18日)が本格的に始まる。

すでに釜山には、昨年のロサンゼルス級原子力潜水艦「シャイアン」に代わって、巡航ミサイル・トマホーク(射程距離3000km)を搭載した原子力潜水艦「コロンブス」と、1万8千トン級の上陸艦が入港している。いずれも、米第7艦隊の核心戦力だ。

朝鮮半島の軍事的緊張は、昨年も「キーリゾルブ」が終わった3月21日以降から高まった。人民軍最高司部が3月26日、戦略ミサイル部隊に1号戦闘勤務態勢への突入を、30日は戦時体制への突入を相次いで宣言したからだ。

昨年は米本土からイージス駆逐艦2隻のほか、攻撃用のF-22ステルス戦闘機やB-52戦略爆撃機、ステルス戦略爆撃機B-2が動員され、北朝鮮が猛反発した。そのため、今回は北朝鮮を刺激するのを避け、動員されないのではと囁かれているが、米韓連合軍は「イエス」とも「ノー」とも言ってない。

北朝鮮は5日、人民軍戦略軍スポークスマンの名で、2月21日から3月4日まで日本海に向けミサイルを連射した事実を認めた。北朝鮮が、かつてテポドン以外のミサイル発射を認めたことはなかった。

一連のミサイル発射は、「多種多型の先端ロケットの性能を検証した訓練であった」とし、「目標物に正確に到達したことで、かつてみたこともない最上の命中率を誇示した」と誇っていた。昨年は、3月20日に開発した無人機を使った攻撃と、米国の迎撃ミサイルトマホークを想定したミサイル迎撃訓練を行っていたが、ミサイルの性能は確実に向上しているようだ。

さらに戦略軍スポークスマンは、米国に対して「我々への無謀な挑発が度を超す場合、我々の防御型ロケットの訓練発射が、瞬時に、最も威力のある攻撃型ロケットに繋がることを肝に銘じておけ」と警告を発していた。

北朝鮮の警告は、仮にB-52やB-2戦略爆撃機が飛来してきた場合、まだ一度も実験したことのない中距離ミサイル「ムスダン」、もしくは長距離ミサイル「KN-08」を東海岸基地に配備し、発射実験を行うという意味に聞こえなくもない。

「テポドン」のように固定された発射台から発射されるならば、偵察衛星で監視ができ、ある程度、予測できるが、「ムスダン」も「KN-08」も車両に備えられた発射台から発射される、移動式発射なのでいつどこに飛んでくるのか、予測不可能だ。要は、北朝鮮が報復を現実に実行できるかどうかだ。

昨年の米韓合同軍事演習では、B52戦略爆撃が3月18日に飛来した翌日、北朝鮮は外務省声明を出し「次に出動したら、軍事的対応を取る」との警告を発した。しかし、オバマ政権は金正恩政権をあざ笑うかのように、25日にもB-52をグアム基地から演習に参加させている。

翌26日には人民軍最高司令部の名で「我が軍隊の超強硬意志を物理的行動で示す」として戦略ミサイル部隊に1号戦闘勤務態勢に入るよう命じたところ、オバマ政権は2日後の28日に、今度はB-2戦略爆撃機2機を北朝鮮近海に飛来させた。

金正恩第一書記は「忍耐にも限界がある」として「重大な決心」(報復を決意)をしたものの、結局は手も足も出せなかった。

さて、今年はどうなるのだろうか。

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photo:Edward I. Fagg, U.S. Navy