安倍政権が目論む「農地改革」の落とし穴。フタを開けたら…。(森 功)
「大規模農業促進」「株式会社による農業を」というスローガンを掲げ、安倍政権が農地改革に取り組んでいます。その一環として、市町村に置かれている農業委員会のメンバー見直しを進めるそうです。改革案は、これまで地元の農家で構成されてきた農業委員会について、2026年度以降首長の任命制にし、農家以外の人も委員会メンバーに加わるというもの。簡単にいえば、農地の売買をやりやすくして新規参入を促すという話です。
ただし、農地の売買については、価格が非常に安く抑えられているので、過去も企業がダミーの農家や農業法人で土地を取りまとめてきたケースが目立ちました。要は地上げ。企業がカネを出して土地を取りまとめておいて、農業委員会に働きかけ、農地からの他の目的の土地利用へ転用をする。で、ふたを開けてみたら、ゴルフ場やリゾート施設になっていました。つまり企業にとって農地は割安なので魅力的。たいていの目的は農業をするためではありません。そのため、これまで農業委員会で農地転用を規制してきた。岩盤規制と非難されますが、そんな機能があったこともたしかなのです。
【ブログ「森功のブログ」より】
Photo : Rice-planting-machine,katori-city,japan(Wikimedia Commons /Author:katorisi)