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下村満子氏からの手紙「福島を忘れない!祈りの集い」(下村満子)

 東日本大震災から3年が経った。当初から懸念されていた被災地の「風化」は現実のものになっている。

 とくに「見えないツナミ」である放射能に襲われている福島は他の被災地と違って、「風化」とともに都合良く忘れ去られようとしている。

 そんななか、両親が福島県出身であるジャーナリストの下村満子氏から「手紙」が届いたので紹介する。

「ジャーナリストの下村満子です。間もなく、3・11から3年になります。
 私は、3年前から、日の出の時間に、地震・津波・原発事故という三重苦に襲われた福島県の浜通り、そのいわき市の海岸に手をつないで並び、鎮魂・生きていることへの感謝・復興への誓いを祈りる「福島を忘れない!祈りの集い」を開催しています。

 私の両親は福島県の出身で、二本松という城下町にある先祖からの家を引き継いでおり、小学校2年、3年は二本松で過ごしました。
震災一か月後の2011年4月に「下村満子の生き方塾」という私塾を、「福島から全国、全世界に発信!」をキャッチフレーズに、福島を拠点に立ち上げました。「命とは、生きるとは、人は何のために生きるのか」といった根源の問題と向き合う塾で、入塾条件は「人間であること」だけ。
以来3年、福島だけでなく県外からも色々な方たち100数十人がこの塾に集まり、月一回の勉強会を続けています。

「福島を忘れない!祈りの集い」は、この「生き方塾」が主催で、毎年、3・11の前後の週末に開催しており、今年で3回目です。福島の原発事故の原因究明と事故処理さえまだ出来ていなのに、いまや、原発再稼働への動きや東京オリンピックにかき消されて、「フクシマ」は、忘れ去られていくばかりです。私は、福島の人達と県外の方たちが手をつなぎ、日本の未来のために「静かな祈り」を捧げることだけを望んでいます。

ジャーナリスト 下村満子

 

「下村満子の生き方塾」
http://ikikata-jyuku.com

去年の様子はこちらからご覧下さい。