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安倍政権の止まらない暴言に海外メディアの批判も激化!(大貫 康雄)

安倍晋三総理を始め、政権関係者の暴言は留まるところを知らないようだ。それに相応して海外メディアの安倍政権批判も強さを増している。安倍氏の(直接または間接的な)人事任命者たちの一連の暴言が、それだけ世界の平和と安定にとって重大な問題であるという認識があるからだ。

アメリカの経済メディア『ブルームバーグ』は、2月19日付の「トップ編集者ニューズ」で、安倍政権の国家主義的な愚行(nationalistic blunder)対し、米政府が(そして日本国民も)より強い態度を取るべきだと異例とも思える主張をした。

政権関係者の歴史観や日米関係、民主主義の基本などをよく取材し、簡潔に指摘している。日本語版も出ているので知る人も多いだろう。

そこで、安倍政権の衛藤晟一総理補佐官が「失望したのは我々だ」という暴言があり、日(安倍政権)米間のイデオロギー上の深い溝が明らかになった今、あらためて、この文の意味を記そうと思う。( )内は筆者。

ブルームバーグはまず、中国の海洋拡張主義が現在のアジアの緊張の最大の要因であるとアメリカ政府が見ていることを踏まえる。しかし、今はアジアの主な同盟国(日本)もアメリカの率直な意志表明(forthright message)をきく必要があると以下のように論じる。

中国による尖閣諸島上空での防空識別圏設定以来、日本はアメリカが中国に対し、より強い姿勢を取るよう求めてきた。日米関係に亀裂が入る気配でも見えれば、大陸(中国)がより横暴になるだけだと。アメリカ側も同様の理由で、中国をはじめ、日本の侵略を受けたアジア各国を刺激するような日本政府(安倍政権)の言動への対応を抑えてきた。

しかし、こうした配慮(circumspection)は逆効果(counterproductive)なりつつある。中国の防空識別圏設定以後、安倍総理はA級戦犯の14人をも合祀した問題の多い靖国神社を参拝した。加えて、安倍氏が推挙した何人かのNHK経営委員らが仰天するような時代錯誤の発言(appalling retrograde comments) をしたにもかかわらず、彼らへの批判もなかった(ひとりは1937年の南京大虐殺を否定、ひとりは従軍慰安婦問題で日本軍を責めるのはおかしいなどというような発言をした)。

(それどころか)安倍氏とその一派(同盟者)は、戦時中の日本の残虐行為を矮小化(downplay Japan’ wartime brutality)するよう歴史の教科書を書き直そうと急いでいる(昨年、すでに米議会図書館調査局が警告の報告を出しているのが現実のものとなりつつある)。

こうしたことが諸外国にどんな印象を与えるか、日本の当局者たちは気にしていないようだ(要するに、最大同盟国アメリカ側の真意を理解できる外交能力がなく、その意志もなかったようだ)。

中国・韓国との関係は、両国で国家主義者が権力を握っている以上、これより悪くなりようがない。日本がこれ以上協調的な対応をすれば、中国・韓国がさらに屈辱的な要求を際限なくつきつけてくると確信している。

悪いことに日本は、「アメリカからの支持を得て当然だ」と思っているようだ。バイデン副大統領が事前に自制を求めていたにもかかわらず、安倍総理は靖国参拝をした(アメリカは水面下での助言を無視され、正面から面子をつぶされた形だ)。その後、安倍・バイデン対談の内容が、戦略的に漏えいされた。多分、安倍総理の尊大な態度(defiant stance)を一般に暴露するためだろう。

そして、日本の当局者はオバマ政権の頼りがいのなさを裏で非難する。日本への支持を無制限で行わないのはアメリカの軟弱さの表れだと(この時点でも日本側はアメリカ側の真意を理解できなかった)。

(以下はブルームバーグの主張が明確に出ている)

「アメリカ政府は反論すべきだ。それも通常以上に強い言葉で」4月のオバマ大統領アジア歴訪では、中国の冒険主義を容認しないことを改めて表現するとともに、安倍総理の挑発行為(provocations)がアジアの安定を脅かし、(肝心の)日米同盟に害を及ぼし(damaging)ていることを明確に伝えるべきだ。それでも安倍政権内部で考えを変える者は多くないだろう(メディアが安倍政権を極めて悲観的に見はじめたことは注意が必要だ)。

多くの(一般の)日本人は、アメリカの不興を買うのに対し敏感だ。ある世論調査では、安倍総理の靖国参拝へ批判的な反応があり、ケネディ米大使の温和な“失望”発言も含め、70%がアメリカに配慮すべきと答えている。

安倍総理は第一次政権時、国家主義的野心に取りつかれて、経済政策が疎かになり、有権者からも見捨てられている(今も同じ過ちを繰り返しつつある)。安倍氏を抑えるために(to rein him)、日本国内からも(有権者が)圧力をかけ続ける(sustained domestic pressure)ことが重要だ。

経済を再生させて開かれた社会にし、自衛隊を通常の軍隊にして日本をより強い国にしようという政策は必ずしも悪いことではない。軍事力を持った日本は(地域の安定を破壊する戦争ではなく)、海賊行為防止のパトロールや平和維持活動、同盟国の防衛を通して世界と地域の安定にもっと貢献できるだろう。(しかし)中国と韓国の神経を逆なでしていては、逆にこうした目的を達成できなくなる

それは(地域の安定どころか、逆に)地域の紛争が起きる可能性を高めるだけだ

安倍総理の言動が、中国の冒険主義程に危険ではないかもしれないかどうかは、この記事で論じるところではない。

日本が何十年もかけて築いてきた責任ある民主主義国家(responsible democracy)としての国際社会から受ける善意を、安倍総理は損ないつつある。総理がこうしたことを自分でわからなければ、アメリカ、そして日本国民がわからせてやるしかない(人権、民主主義を軽視・制限しようとする政権は、民主主義社会の主役である国民が出来るだけ早く終わらせることを促している)

【DNBオリジナル】

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