本当に原発推進派が勝ったのか? 上関町議会議員選挙(上杉隆)
きのう(2月16日)山口県上関町で行われていた町議会選挙が終わった。即日投開票の結果、定数10名のところ、8人の原発推進派、2人の反対派が当選を果たした。
「3・11」(東京電力福島第一原発事故)後、初の町議会選挙とあって、地元の注目度も高かった(投票率86.03%)。上関原発の誘致で揺れる上関の選挙結果は、今後の原発政策をも左右するとも云われた。
だが、そもそも立候補者は13人である。 うち原発推進派が10人、反対派は3人であった。ということは、選挙前から「勝負」は決まっていたのではないか。にもかかわらず、新聞各紙ではこんな見出しが続く。
「原発推進派8人当選 山口・上関町議選、反対派は2人」(中国新聞)
「原発推進派が過半数 震災後初、山口・上関町議選」(朝日新聞)
これでは原発反対派が完敗したかのような印象を与えるだろう。この種の誤解を招くような報道が後を絶たない。
確かに原発推進派が多数を占めたことに間違いはない。 だが、それが本当のことを伝えているかとなると疑問だ。
上関町では原発推進の声が強いのは事実だ(写真参照)。だが、当然にそれは建前の部分もある(デイリーノーボーダー上関報告など)。
発表に依存し、数字の結果だけを追う選挙報道では時に本質を見失うことを思い出そうではないか。