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劣勢細川陣営が選挙戦に投入した”加世子夫人”と”くまモン隊”の破壊力(藤本 順一)

劣勢が伝えられる細川陣営がついに細川夫人の加世子さん(71)を選挙戦に投入した。「夫は政治家としての魂が燃えたぎっています。精一杯お手伝いして、全身全霊、残された夫とともに戦っていきたい」

1月27日、公示後初めて街頭に立った加代子さん(71)はこう訴え、夫への支持を呼びかけた。今後は細川氏とツーショットで選挙運動の先頭に立つそうだから、羨ましくもある夫婦愛だ。

もっとも、細川夫人が参戦したくらいでは、はるか先頭を走る舛添要一氏に追いつくほどの力にはなるまい。

それどころか、安倍晋三首相が一昨年秋、自民党総裁に就任後、民間調査会社に委託して本格的に導入したインターネットによる極秘のWEBモニター調査では、細川陣営のゴタゴタに嫌気がさした「脱原発」票が宇都宮健児氏に向かっている傾向がはっきり見て取れるのだ。

ちなみに、この調査はマスコミ各社の世論調査より格段に精度が高い。年齢、男女別、職業、地域、思想信条などサンプルが偏らないよう委託業者が予めモニターを募り、1000人単位で定点観測や準定点観測、テーマ毎のトピック調査を逐次行っている。付け加えるならば、安倍自民党はこの調査会社を使い連日、テレビキャスターやコメンテーターの発言、あるいは新聞、雑誌記事などに対する国民世論の反応を集め、時に言論機関への有形無形の圧力、介入を試みていることを読者諸氏は知っておくといい。テレビ各局のコメンテーターが横並びで脱原発の争点化に懐疑的な見方を示していたことを思い出していただければ合点がいこう。

それはともかく、このままでは細川氏は後ろを走る宇都宮氏に追い抜かれてしまうことになりかねない。最悪、田母神俊雄氏にも遅れをとる可能性も出てきた。

まさに瀬戸際の細川陣営は、一発大逆転の切り札として2011年のゆるキャラグランプリに輝いた熊本県庁のマスコットキャラクター「くまモン隊」の投入を検討中とのこと。小泉会談があった1月14日、港区白金の中華料理店で行われた初の選対会議でも、熊本出身の細川氏のお嬢様が開口一番「くまモンはいつでも呼べます」と語っていたそうだから、冗談話ではないようだ。

「くまモン」が、脱原発派だとは知らなかったが、実現すればきっと小泉氏以上の強力な援軍となるに違いない。頑張れ、クマもん!子供たちの熱狂が目に浮かぶ。

【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】