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長引く「NHK会長失言」政治介入の新たなパターン(森 功)

NHKの籾井勝人会長の失言問題が国会でも取り上げられ、なかなか幕を引きません。それは、問題の本質が「慰安婦発言」ではなく、「政府が右と言えば左とは言えない」という御用メディア発言にあるからでしょう。この手の政治介入については、これまでと少しパターンが変化してきたように感じます。

従来の政治圧力は、放送事業認可などをちらつかせて有力政治家が直接報道にくちばしを入れてきました。これはある意味ストレートで分かりやすいのですが、今回の問題は経営委員会という第三者機関を通じた介入の有無。ワンクッションおいているので、政権側は「知りません」「コメントする立場ではない」で逃げを打てるという構図です。この手法はメディアに限らず、他の業界における有識者会議や外部委員会などでも見え隠れしています。巧妙になっているので厄介であります。

【ブログ「森功のブログ」より】

Photo : NHK Broadcasting Center (Wikimedia Commons/Author: J o)