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【2014都知事選】自民も民主も「政策」より「勝ち馬」

連休明けのきょう14日、元首相で陶芸家の細川護熙氏が76回目の誕生日を迎える。

先週来取りざたされている東京都知事選がらみで出馬表明など何らかの動きがあるのではないかと政界関係者は固唾を飲んで見守っている。もし、細川氏が出馬すれば選挙戦の構図が一変するからだ。

民主党は独自候補擁立を模索し、本誌既報のとおり旧日本新党の人脈を使って細川氏に出馬を打診していたが断られていた。そこで、自公が支援する舛添氏に“相乗り”する方向で最終調整に入っていた。ところが、細川氏の名前が急浮上したことで豹変し、細川氏が出馬した場合は細川氏を支持するという方針を固めた。

民主党は結党以来、都知事選で勝ったことがなく、過去2回の選挙は候補者が立てられず自主投票になっている。 だが、民主党に細川氏を支援する資格があるのかという声も出始めている。

というのも、同党は野田政権時代に官邸を囲んだ再稼働反対のデモを「雑音」と切り捨てた上に、再稼働が大多数だったパブリックコメントを無視して大飯原発の再稼働を強行した過去があるからだ。これをきっかけに党内の脱原発派のほとんどが離党した。

そもそも民主党は電力会社の労組で構成される電力総連を資金源のひとつとしているため、細川氏や小泉純一郎元首相が主張する「原発ゼロ」とは相容れない面がある。

一方の自民党でも、本当に舛添支持でよかったのかという声がくすぶっている。

同党は当初、安倍晋三首相の希望もあって女性候補を求めていたが、年末に行なった2回の世論調査で舛添要一氏(65)がトップだったため、舛添擁立に傾いた。ただ、舛添氏は自民党が野党転落後、「自民党は歴史的使命は終わった」などと批判を繰り返し離党、除名されている。当時の党執行部らを中心に「一番苦しい時期に自民党を捨てた人」との恨みが今も残っている。

結局、舛添氏が9日、自民党都議団に謝罪しただけで自民党都連の推薦というかたちに落ち着いた。政策的に突っ込んだすり合わせもしていない。

舛添氏側も、有権者に対して離党時に散々批判した自民党と今の自民党のどこが違うのかという説明をしていない。 自民党が党本部として都知事選に独自候補を立てたのは1999年が最後で、推薦候補は1987年以来、当選していない。

【DNB編集部】

Photo:Photo : Tokyo Metropolitan Government Building no1 Tocho 07 7 December 2003(Wikimedia Commons /Author:Morio)