北朝鮮の金正恩が“人民のために”スキー場と乗馬倶楽部をオープン!?(辺真一)
金正恩第一書記の肝いりで着工した『馬息嶺スキー場』が昨年12月31日に完成し、すでにオープンしている。
馬息嶺スキー場と並んで北朝鮮メディアが金第一書記からの「人民への贈り物」と喧伝しているもう一つの目玉である『美林乗馬倶楽部』は、スキー場よりも一足先に昨年10月に建設され、すでに開業している。
乗馬クラブは確か、金第一書記の「青少年と勤労者らが思うがままに体力を鍛錬できるよう乗馬倶楽部を作れ」との一声で建設されたはずだが、外貨でないと利用できないシステムになっている。
乗馬は1時間で10ドル~35ドル。外国人観光客にとっては手頃の料金だが、北朝鮮のウォンに公式換算すると、1、000ウォン~3、500ウォン。平均給料が3,000~4,000ウォンの一般勤労者はとても利用できない。外貨獲得のための外国人観光客向けであることがはっきりした。
スキー場の入場料は不明だが、スキー場も外国人観光客向けであることは自明だ。スキー場建設に4億8千万ドルがつぎ込まれているので、回収しなければならない。
金正恩政権になるまで、乗馬もスキーも北朝鮮の一般国民にとってはまったく無縁であった。それが建設されたのは、バスケットボール(デニス・ロッドマン)同様に金第一書記の趣味、嗜好外の何物でもない。
北朝鮮は金剛山と元山特区、馬息嶺スキー場を中心に年間120万の観光客を誘致する計画のようだが、当てが外れ閑古鳥が鳴くようだと、平壌のど真ん中に25年間も野ざらしにされているピラミッド型の「柳京ホテル」の二の舞になりかねない。
【DNBオリジナル】
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写真は滋賀県の伊吹山スキー場
(撮影/alpsdake)[/caption]