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【2014都知事選】官邸が仕掛ける細川ネガティブキャンペーンの異常(DNB編集部)

大政治家には横綱相撲をとってもらいたいものだが、安倍晋三首相にはどうやら無理な注文のようだ。

きょう11日の朝日、産経、東京の各紙は1面トップで細川護煕元首相(75)の東京都知事選への出馬の意向を伝えた。もっとも肝心の細川氏側からの表立った動きはない。相変わらず聞こえてくるのは「五分五分」(周辺)という声だ。

こうした状況に異常なまでに神経を尖らせているのが自民党と安倍官邸だ。万一、細川氏が出るようなことになれば、自民党東京都連が支持を決めた舛添要一元厚労相(65)の楽勝に黄信号がともることになるだけでなく、政権へのダメージも計り知れないからである。

「安倍さんが怯えているのは細川氏自身でなく、バックにいる小泉純一郎元首相の存在です。小泉氏は安倍さんの政治の師でありながら、これまでないがしろにされてきた恨みがある。『脱原発』をテコに政権批判を展開することは明らかです」(政界関係者)

細川ー小泉の元首相連合が大きな票を集めるだけでもそら怖ろしい。ましてや当選などされた日にはたまったもんじゃないというわけだ。

そこで、自民党と安倍官邸は細川氏の出馬に備えて細川氏の身辺を徹底的に調べ始めた。特定秘密保護法で暗躍した内閣情報調査室(内調)を動かしているという話まである。

しかし、政界をとっくに引退していた陶芸家の細川氏周辺から目ぼしいスキャンダルは見つからず、結局、20年前に首相をやめるきっかけとなった佐川急便からの1億円借金問題という古証文が残っただけだった。これに加えて75歳という年齢と、1993年の7党連立政権が小沢一郎氏の仕掛けだったことから「小沢に近い政治家」と印象づけるよう、親しい記者を使って情報操作を始めているというのである。これからも、(1)佐川急便、(2)高齢、(3)小沢シンパーーーの3つのキーワードが繰り返しメディアに露出することになるはずだ。

そもそも自民党が舛添氏の支持を決めたのは、政策より知名度を優先させたからだったといわれる。その意味では民主党とかわりはない。そう考えると、都知事選にまっとうな政策論争を期待するのは、どだい無理な話なのかもしれない。

※Photo:Prime Ministers Official Residence cropped Prime Ministers Official Residence 20080723.jpg(Wikimedia Commons /Author:atgw)