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特定秘密保護法の条文でも「デモはテロ」(DNB編集部)

 自民党の石破茂幹事長が自身のブログで「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と書いた(後に撤回)ことについて、各方面から批判の声が上がっているが、実は特定秘密保護法案についての政権側のホンネを開示したに過ぎないことが、法案の条文分析から明らかになった。

 同法案では、特定秘密の対象として⑴防衛に関する事項、⑵外交に関する事項に加え、⑶特定有害活動の防止に関する事項、⑶テロリズムの防止に関する事項の2項目を挙げていることから、秘密に範囲が恣意的に際限なく広がる可能性が指摘されている。とりわけ「テロリズムの防止」は定義があまりに曖昧で、そもそも「テロリズム」とは何を指すのかが問題とされてきた。

 森雅子担当相や政府は、⑴主義主張に基づき強要する目的で人を殺傷するための活動、⑵不安や恐怖を与える目的で人を殺傷するための活動ーーーなどと説明してきた。だが、実際の条文はそうなっていない。条文を正確に引用すると、

 〈政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他を破壊するための活動〉と定義されている。「又は」は並列を表す接続詞なので、これを普通に読めば、

⑴主義主張に基づき、他人にこれを強要する行為

⑵社会に不安や恐怖を与える目的で人を殺傷する行為

⑶重要な施設を破壊するための活動

 上記3つの行為が「テロリズム」になる。

 ⑵⑶はまさしくテロ行為だが、どさくさに紛れてテロとは関係のない⑴を潜り込ませていたのである。「他人への強要」とは何を指すのか? 大音量での絶叫も、官邸を取り囲むデモも「強要」と捉えられる余地があり、法案の条文上では「デモはテロ」とされる可能性が否定できない。

 石破氏は、そんな政権側のホンネを“情報開示”してしまったのだろうか。