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中国「防空識別圏」に巧妙に利用された「ノータム」(森 功)

北朝鮮のやり方を真似て巧妙に仕組まれた戦略――。日本の航空関係者がそう感想を漏らした中国側の防空識別圏。そのポイントが、ノータム(NOTAM)という世界共通の航空情報だそうです。

通常、ノータムは自国の航空当局が、航路の異常や空港の閉鎖などを他国のエアラインに知らせるための通信手段だといいます。航空会社はそれに従って飛行機を運航させるわけですが、これは軍事的にも利用できる。たとえば北朝鮮のテポドン打ち上げ時にも発せられたといいます。で、中国はこれをうまく使って日本の航空会社に戦闘機をスクランブル発進させるぞ、と脅し、日本のエアラインが尖閣列島の上空を飛行する場合には、フライト計画を提出しなければならなくなったのだそうです。いわば防空識別圏を既成事実化するための巧妙な手段。

で、中国へ計画を出さないよう、日本の政府から航空各社にお達しがあったのですが、となると、中国戦闘機のスクランブル発進があり得るかも。いずれにせよ厄介な事態です。

【ブログ「森功のブログ」より】

Photo : Great Hall Of The People At Night(Wikimedia Commons /Author:Thomas.fanghaenel)