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みんなの党を強行採決に転ばせた「アビーロード会」って?(DNB編集部)

今月22日(金)に帰国したポールマッカートニー氏(71)がこれを聞いたら、さぞ驚くだろう。

悪名高き特定秘密保護法は26日(火)夜の衆議院本会議で自民、公明の与党とみんなの党の賛成多数で可決、参議院に送付された。一連の審議の過程でなにより不可解だったのが、みんなの党のすり寄りだ。

同党前幹事長で強行採決の際に退席した江田憲司議員は、自身のメルマガでこう書いている。

〈我がみんなの党は、「脱官僚」「官僚政治の打破」を結党の原点にもつ政党である。(中略)現時点の法案では未だ「官僚支配」を助長する、強化する恐れが払しょくできたとはいえない〉。だから強行採決は許すことができない、と。

だが、同党所属の井出庸生、林宙紀の両氏が造反したほかは、“みんな”が揃って賛成に回り、「野党も賛成しているのだから強行採決ではない」という免罪符を与党に与えてしまった。“アジェンダの党”には相応しくない立ち回りだ。

各紙の解説によると、同党の渡辺喜美代表(61)が11月14日夜、東京赤坂の中華料理店で安倍晋三首相(59)、菅義偉官房長官(64)らを交えて会食したことがきっかけで、“すり寄り”が始まったという。事実、その翌日から政府・与党とみんなの党の修正協議が始まっている。

この謎の会食に、冒頭のポールが一役買っているというのである。政治部デスクが解説する。

「この会食は、もともと『アビーロードの会』のつながりなんですよ……」

「アビーロード」といえば、言わずと知れたビートルズ不朽の名盤だ。第一次安倍内閣で行革担当相として辣腕をふるった渡辺氏が、福田政権に変わった途端、干されることに。そんな渡辺氏を励まそうと安倍、菅の両氏に加え、塩崎恭久元官房長官(63)の4人が集まり、会を発足させたというのだ。2008年1月の奇しくも同じ14日の夜だった。

以来、野党と与党分かれてもお互いの友情を温めあってきたという。

ちなみに、「アビーロード」は「アベーロード」(安倍路線)に引っ掛けて命名された。要は「脱官僚」「アジェンダの党」の看板を掲げながら、そんなオヤジギャグに転がされて賛成に回ってしまったということなのだ。

これを支持者やポールのファンが知ったら、いったいなんて思うだろう。

by asanagi

from http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Michitaro_Watanabe,_Yoshimi_Watanabe,_Tomomi_Oki_2013-07-17.JPG?uselang=ja