フィリピン台風「ヨランダ」 レイテ島で死者1万人以上 ローマ教皇も祈り
年配の日本人にとっては太平洋戦争の悲劇を想起させる島、フィリピン、レイテ島。近年は遺骨収拾目的で訪れる遺族も少なくない。その島を直撃した台風30号「ヨランダ」は再び同島に惨劇をもたらした。
11日、フィリピンの「デイリー・トリビューン紙」はレイテ島だけで死者は1万人を超え、いまだに2000人以上が行方不明、さらに犠牲者は増える見込みだと報じた。
史上最大級の台風「ヨランダ」は通過した地域を壊滅状態に陥れた。暴風雨によって家屋の多くは破壊され、さらに沿岸部で発生した4メートルもの高波は「海が家々を呑み込んだ」(同紙)と伝えている。同島各地で発生している土砂災害によって交通網は寸断され、日本の外務省によれば、同島に住む約300人の日本人の安否確認を急いでいるという。
フィリピン政府の発表では、今回の台風で国全体で少なくとも445万人、100万世帯が影響を受け、なおも8万6千世帯、40万人以上が避難を余儀なくされている。
また、サマール地方の当局者の話として、「今回の台風はフィリピン史上最悪の自然災害となる可能性があり、過去のすべての記録を塗り替えるだろう」という警告も伝えた。
10日には、ローマ教皇のフランシスコが、バチカンのサンピエトロ広場に集まった信者の前で、今回の台風の犠牲者に向けて祈りを捧げ、具体的な支援を呼びかけている。
(写真:記者会見をするアキノ大統領 /credit: Official Gazette of the Republic of the Philippines)