スパイ防止法とどう違う「特定秘密保護法案」(森 功)
はてなキーワードによれば、1985年の中曽根康弘政権当時、議員立法で国会に提出されたスパイ防止法は、日弁連をはじめとした次のような反対に遭い、廃案になったそうです。防衛・外交にかかわる「国家秘密」の内容が、実質的に、広範囲・無限定であり、行政当局の恣意的専断を許すことになる。「探知・収集」「外国に通報」「他人に漏らす」などの実行行為及び過失犯など、その行為類型もすべて、広範囲・無限定であり、調査・取材活動、言論・報道活動、日常的会話等のすべてが含まれる。 死刑を含む重罪の提案は、合理的な根拠を欠き、時代の流れに逆行して、著しく異常なものである。 予備・陰謀罪と独立教唆犯の提案も、また、罪刑法定主義と行為責任主義の原則に違反する。
これと今国会で審議されている特定秘密保護法案の論点を比べると、刑が10年に減っていることぐらいでしょうか。当時のスパイ防止法では、最高刑を死刑から無期懲役に修正していますが、弁護士の谷垣さんたち若手自民党議員の反対で廃案になりました。今回、谷垣さんたちは情報公開法などが整備されたので環境が変わった、と言い繕っているようですが、今回の法案では肝心の公開制度は事実上機能せず、無期限非公開。せめて国会秘密なるものが公開されるという緊張感があれば多少のチェックが働くかもしれませんが、これでは好き放題、という話。
【ブログ「森功のブログ」より】
Photo : Diet of Japan Kokkai (Wikimedia Commons /Author:Wiiii)