秘密保護法案の「秘密」が無限に拡大する動かぬ証拠
衆議院本会議で7日から審議入りした特定秘密保護法案の危険性がしだいに明らかになりつつある。
同法案の問題点はさまざまな指摘がされているが、もっとも基本的な部分ではいったい何が「秘密」とされているのか、永遠にわからない恐れがあるという点だ。
これが放置されると、たとえ恣意的な判断が横行しても検証がまったくできないことになる。さらに、行政府の拡大解釈によって「秘密」の範囲が 無限大に拡大される可能性があり、政府にとって都合の悪い情報が次々と「秘密」に指定され、隠蔽される危険もある。
これに対して、政府は特定秘密の対象は限定され、法案の別表に列挙していると説明し、安倍晋三首相も国会で、
「恣意的な(秘密の)指定が行われることのないよう」と答弁したが、実はこれが空論であることが、当の「別表」によって明らかになった。
そこには、おびただしい数の「その他」という文言が書かれていたのだ。例えば、
・防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他重要な情報
・安全保障に関し収集した条約その他国際約束に基づき保護することが必要な情報その他重要な情報
・特定有害活動の防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他重要な情報
・テロリズムの防止に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報その他重要な情報
と、一読しておわかりのとおり、秘密の対象が限定されているといいながら、別表のすべての項目に「その他重要な情報」とあり、それがどんな情報なのかの限定はいっさいされていない。
つまり、行政府が重要と判断すれば、どんな情報でも特定秘密に指定されることになり、その検証も不可能になる。
別表に書かれた「その他」こそ、秘密を無限に拡大できる動かぬ証拠といえよう。