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TEPCO「豪雨で希釈された溜まり水を測定し排水‼」(おしどりマコ)

2013年9月27日の東京電力定例会見において、筆者が以前から追及していた件の回答が出たのでまとめる。大型台風18号の豪雨の際に溜まり水を排水した際、その「雨水」の採取時刻である。【過去の参考記事】
「大型台風前に溜まり水を測定しなかったのは、希釈されるのを待ったのか?」
http://op-ed.jp/archives/14805
「溜まり水の測定値を読み違えたまま排水開始」
http://op-ed.jp/archives/14716

測定した溜まり水の採取時刻は、「9月15日15時45分から21時25分」ということであった。


http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_a1.php?prec_no=36&block_no=0295&year=2013&month=09&day=15&view=p1つまり、「溜まり水」は、15日13時台の1時間に41ミリの豪雨のあと、採取され、測定したことになる。過去の記事でも言及したとおり、豪雨で希釈されてからの採取・測定であった。台風前に、溜まり水がくるぶし程度あったのにも関わらず、なぜ測定しなかったのか?(地震と違い、天気予報で大型台風がくることはわかりきっていた!)

なぜ、排水した際の測定値のデータに、採取時刻を公表しなかったのか?

(通常、東京電力の測定データは、採取日・採取時刻は明示してある。
はっきりと豪雨後の採取であるにも関わらず、なぜ、筆者が質問するまで、公表しないのか)

台風による豪雨で溜まり水を排水した、と説明する際、東京電力は16日の豪雨についてしか言及しなかった。
なぜ15日の豪雨に言及しなかったのか。豪雨後に測定したという事実をなぜすぐに出さなかったのか。

数々の疑問、懸念が残る。

これらの質問をぶつけた会見の筆者の質疑を書き起こす。

********ーー台風18号の際にタンクエリアの溜まり水を排水したものの、排水時刻が15時45分から21時25分だったと云う事なんですが。
15日の浪江町の気象データを見ますと、13時台1時間に41ミリ近い豪雨があります、それで、台風の豪雨で希釈されてから測定をした、という事ことになりますが、その点の評価はいかがでしょうか。 

東京電力今泉氏
「えーと、まあ実際にあの、時間的にはそういう時間で測定をさしていただいてます。
で、雨で、雨が降ってきてそこに水が溜まっているという事に関しては、希釈された状態というかその、雨水が増えた状態で測定をしているということになりますけれど。
まぁ、測定については適切に行って確認しているかと思います。」

 

(希釈された状態で測定していることは自覚しながら、『測定については適切』。測定方法については、という意味であろうが、排水判断をする測定試料についての条件については言及無し。)

 

ーーあの、すいません度々質問しておりますが、なぜ天気予報で大型台風が近づいている、そして堰内に溜まり水がくるぶし程度たまっている、という事がわかっていながら、希釈される前の測定をされなかったのはどうしてなのでしょうか。

 

東京電力今泉氏
「えーと、まあ実際にあの、この台風が来ると云うことで様々な準備をしていた中で、15時45分からの測定ということになったかと思います。」

(回答になっていない)

 

ーーなぜ、採取時刻の発表がすぐになかったのか、通常、東京電力でこのサンプリングデータの発表をしていただく際は採取日と採取時刻が常に付いている形でお示ししていただいているのですが、 15日の溜まり水の採取時刻が付いてなかったのはどうしてなのでしょうか。

 

東京電力今泉氏
「えーと、これは特に理由というものはございませんけれど、大変申し訳ありません。
そういった測定データについてはおっしゃるように、採取時間とかといったところはつけなきゃいけないかと思います。
今後ちょっと注意したいかと思います。」

(常に採取時刻は公表しているが、今回は採取時刻を公表しなかったのは反省をする、と…)

 

ーーあの、豪雨のあとの溜まり水で、全βが24Bq / L という、ストロンチウムの告示濃度限度ギリギリで、まあ告示濃度限度は、30Bq / L ですので、わりと近いものを排水しておられますが、これ豪雨で希釈されておらなければ告示濃度限度を超えていた可能性もあると思うのですが。

 

東京電力今泉氏
「あの、今後疑問の所をご質問を受けておりますけれども。特にあの、まあその、豪雨の前、後っていう、、、。前にやらなかったか、と云うのは特に理由がございません。色々な準備等々の中で、先程申しました通り15時45分になってしまったという事でございまして、希釈を待って測定を、、あのサンプリングを開始したという事は、あの、ございません。」 

(これは、希釈を待ったのは意図的ではいが、結果的にそうなってしまった、という説明)

 

ーーわかりました。あの、まあ浪江町で13時台1時間に41ミリ、という豪雨でしたが。
これは同じように福島第一原発でも豪雨があったという認識でよろしいでしょうか。

 

東京電力今泉氏
「結構です。まあ実際にあの、こんな事言ったら大変申し訳ありませんけれど、定例のサンプリングですと事前にしっかり準備した上で、そう云った出て行くんですが、こういった中であのー、まああのー、確かに一部、何て言うんでしょうか、出て行ってサンプリングするという所、遅れた、遅れてしまったというと、まあ、色んな装備もして行かなきゃいけませんので、
そう云った所が有るかと思います。
これは大変申し訳ないと思っておりますが、あの繰り返しになりますけれども、特にそういった何か意図的なところがあったと云う事ではございません。」
(これは度々説明されるが、ではなぜ、天気予報があったのにも関わらず、台風前にサンプリングをやらなかったのか?という疑問につきる。)

 

ーーわかりました。
あの、台風の後の排水に関する会見で、16日に緊急で排水をしたと、。
16日の昼頃に1時間に50ミリ近い豪雨があり、急にたまり水が溢れそうになったので排水の判断をしたという事でしたが、この15日の豪雨に関して言及がなかったのはどうしてなのでしょうか。

 

東京電力今泉氏
「えーと、特に私共、あの、意図して切った訳ではございませんが。
結果として、確かに15日の13時頃に降雨量が上がっていると云うのは、これはおっしゃる通りでございまして、まぁ、ここをご説明しなかったという意図は特にございません。」


(同じく、意図的ではないが、結果的にそうなった、という説明)

[caption id="attachment_15036" align="aligncenter" width="620"] 東京電力、今泉典之原子力・立地本部長代理[/caption]

********
15日の豪雨のあとに溜まり水を測定したことは明らかになった。

東京電力は溜まり水を「雨水」と判断して、排水したが、果たして本当にそうだったのか。

堰外の溜まり水が、セシウム、全βとも、告示濃度限度を越えた汚染水であったことは18日に発表されている。

[caption id="attachment_15037" align="aligncenter" width="620"] 告示濃度限度はセシウム134は60Bq/L.セシウム137は90Bq/L.ストロンチウム90は30Bq/L。[/caption]

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130918_10-j.pdf

豪雨の前、希釈される前、台風がくる前の溜まり水の測定をなぜしなかったのか。

告示濃度限度以下であれば排水するのか、それならば汚染水を希釈すればいくらでも排水できるではないか、と問うた記者に
「現在の法律ではそうなっている」と回答した東京電力。

大型台風の豪雨のあと、希釈された溜まり水を「雨水」とし、排水したのは
「意図的ではなく、結果的にそうなった」このような説明を繰り返すのみであった。汚染水の排水に関して、告示濃度限度しか定められておらず、総量規制がされていない、
これは以前から指摘されている大きな穴である。福島第一原発事故により環境中に放出された放射性物質は、希釈されれば、いくらでも排水できるような法律になっているのである。

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