ノーボーダー・ニューズ/記事サムネイル

「国際平和デー」に日本が贈った平和の鐘(前田 真里)

9月21日は、国際平和デー。平和を願い、世界各地の教会や寺で鐘が鳴らされた。

18日、ニューヨークの国連本部のローズガーデンでも、日本が約60年前に国連に贈った「平和の鐘」を鳴らす式典が開かれた。国連では、毎年、国際平和デーに平和の鐘を鳴らして非暴力という信条を再確認し、全世界の停戦を呼びかけている。

式典には、潘基文事務総長やアシュ国連総会議長が参加した。今年の国際平和デーのテーマは、「平和のための教育」。潘事務総長は、パキスタンの女子学生マララ・ユサフザイさんが、“1人の教師、1冊の本、そして1本のペンが、世界を変えられる”と語ったことにふれ、「私たちの子どもに寛容と相互尊重という価値を教えることを誓おうではありませんか。多様性を受け入れる公正で懐の広い世界を築くため、学校と教師に投資しようではありませんか。平和を勝ち取り、守るため、全力で闘おうではありませんか。」と述べた。また、「世界の紛争地で争う人達に、武器を置いて対立をやめるよう呼びかけたい。今、世界で最もその必要があるのはシリアだ」と停戦を呼び掛け、参加者とともに一分間黙祷した。

また、着任したばかりの日本の吉川元偉(もとひで)国連特命全権大使夫妻も出席した。吉川大使は、「国連では、毎年9月に日本が平和国家だということを(この式典で)再確認されているし、物を送ったので終わりだということではなく、これからも我々自身が平和を作るために努力しないといけない」と話した。平和の鐘は、愛媛県宇和島市の中川千代治氏(元宇和島市長)が1954年に約60の国連加盟国の硬貨を溶かして作り、日本国連協会から国連に寄贈された。もう二度と戦争が起きるような事がないようにという強い願いが込められている。

潘氏、アシュ氏が鐘を鳴らした後、平和の象徴である白いハトが秋空へ放たれた。

国連ウェブサイト:http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=45878&Cr=education&Cr1=peace#.UjzDWWQnCo9

[caption id="attachment_14870" align="alignnone" width="620"] 吉川元偉国際連合日本政府代表部特命全権大使常駐代表[/caption]