韓国議員「竹島」上陸! 8.15を前に領土問題はどう動く!?(辺 真一)
「8.15」を前に韓国が熱い。
韓国の最大野党・民主党の代表ら国会議員12人が、13日、軍用ヘリコプターで竹島(独島)に上陸したかと思えば、14日は政権与党(セヌリ党)所属の国会議員30人が大挙、竹島に上陸。
韓国国会議員らの「独島上陸」は、今回が初めてではない。昨年10月にも国防委員会所属議員15人が国政監査の一環として上陸している。国防委員会は2005年と08年にもここを視察している。
韓国国会議員らの相次ぐ「竹島上陸」に日本は、下川真樹太アジア大洋州局参事官が金元辰駐日公使を外務省に呼び、「日本としては受け入れられない」と強く抗議したようだが、河合周夫次官が直接、韓国大使に電話で抗議した昨年に比べると、格落ちした感は否めない。
その一方で、韓国政府は日本の閣僚や政治家の靖国参拝の動きには「侵略戦争を合理化する施設に高位の政治家が参拝することはあってはならない」(外交省報道官)と釘を刺し、さらに韓国国会の特別委員会にいたっては、靖国に参拝する日本の閣僚や国会議員の名前をすべて公開するよう韓国政府に求めている。
参拝者リストの公表は、表向き「過ち」を記録するためとしているが、一部には参拝者の韓国入国を禁止するための名簿つくりとの見方もある。
日本には「日本の領土を守るため行動する議員連盟」や「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」「国家主権と国益を守るため行動する議員連盟」「皆で靖国神社に参拝する国会議員の会」などがあり、毎年メンバーの多くが揃って靖国を参拝しているが、参拝者の名簿は公にされてない。また、参拝者の中には参拝を伏せたり、明らかにしていない議員も相当数いるようだ。
韓国国会は春の靖国参拝時も、外交省を通じて、参拝議員を把握し、リストを作成するよう要請していた。今春は、168人の国会議員が参拝したが、韓国外交省は全員を掌握できなかった。
振り返れば、二年前の夏に、韓国政府は竹島への中継地である鬱陵島の視察を計画した新藤義孝、稲田朋美両衆院議員、佐藤正久参院議員ら自民党議員らの入国を拒否し、大騒ぎになったことがある。
韓国にも「独島を守る国会議員連盟」という超党派の連盟がある。当時、この連盟は、独島が韓国の領土であることに異を唱え、奪還運動を展開する日本の政治家らの入国を阻止するよう政府に強く求めていた。
その一方で、この連盟は、数か月後の11月にマスコミ関係者ら500人を帯同して竹島で「美しい我等の領土独島音楽会」と題するコンサートを開いていた。主導したのは、連盟の中心メンバーでもある自由先進党の朴宣映議員だった。
竹島が日本の領土ならば、音楽会で竹島に入った朴議員らは日本の主権を侵害し、不法入国したことになる。ところが、1か月後の12月末に朴宣映議員は来日したが、入国を拒否されることも、お咎めもなかった。
「毅然たる、断固たる外交」を標榜するなら、日本も対抗措置として、同じように朴議員らの入国を拒否してしかるべきだが、日本政府は黙認した。友好国に対する「目には目を、歯には歯を」のやり方は得策ではないとの判断によるものか、それとも過剰反応は相手のさらなる対抗措置を招きかねないとの判断によるものなのか、真意は不明だ。
島根県の溝口善兵衛知事は政府に対し、「韓国側に毅然とした姿勢で対応することを望む」とのコメントを発表していたが、領土問題では、どうみても、日本よりも韓国の方がはるかに原則的で、毅然たる、断固たる外交を展開しているようだ。
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