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上海や広東省でも北京並みの大気汚染!?(相馬 勝)

中国では南方よりも、北方の地域にすむ人々の寿命が5年短いといわれているが、これは2000年までの研究データでかなり古い。いまや上海市や浙江、江蘇、福建や広東の各省でも、石炭や石油を使った工場などの大気汚染により、春から夏、秋にかけて、気温が高い日には光化学スモッグが発生するなど、環境汚染の劣悪さでは北京など北方と同じだ。

筆者は最近、上海や浙江、福建、広東省などを回ってきたが、その大気汚染の度合いは北京と遜色ないほどひどい。

特に、気温が30度を超えると、自動車の排気ガスの影響からか、光化学スモッグが発生しており、戸外に出ている人々がバタバタと倒れ、救急車で病院に運ばれる人々が続出している。

北京大や米マサチューセッツ工科大などの研究チームはこのほど、全国125都市約50万人の死亡統計などを分析。北方の方が石炭を使って暖をとることから大気汚染の度合いがひどく、南方の人々よりも5年間寿命が短いとの研究データを発表したが、これは19811~2000年の中国90都市におけるPM2.5を含む全浮遊粒子状物質(TSP)のデータと、1991~2000年の約50 万人の死亡統計であり、データ的には10年以上も前の非常に古いもの。

いまや、大気汚染は中国全土に拡散しており、広東省に隣接する香港でも、気流の具合では工場から排出された煙や自動車の排ガスに覆われて、視界がかなり悪化することもたびたびだ。

上海周辺の汚染された大気は東シナ海を越えて日本の九州地方を襲うこともしばしば報告されており、福建省でも同じで、海峡をはさんだ台湾にまで汚染された大気が到達することもある。

中国の東北地方は老朽化した工場が集中していることで知られるが、それらの工場の大気汚染が北朝鮮や韓国にまで到達し、汚染の被害が激しいことも分かっている。

筆者は3日間上海に滞在しただけで、喉がいがらっぽくなって、セキが止まらなくなったが、東京に帰ってきて、一晩寝ただけで、元に戻った。いかに、上海の大気汚染がひどかったか、想像がつこうというものだ。

【DNBオリジナル】

 

上海の街

from http://commons.wikimedia.org/wiki/File:PeopleSquareTraffic.JPG?uselang=ja

by PHG