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伝えられない東電「吉田昌郎」福島第一原発元所長の罪(森 功)

死者に鞭打つことを嫌う日本人の美徳から来るのかもしれませんが、東電福島第一原発所長だった吉田昌郎さんについて、事故処理の功績を讃える一辺倒の報道に近いように感じます。が、昨夜、会った事情通は少し異なった見方をしていました。吉田さんが08年当時、設備管理部長として福島第一原発の安全基準づくりの責任者だったことは知られていますが、想定された15.7メートルの津波に対する防潮堤は、現場の部下たちから必要だと突き上げがあったそうです。それを却下したしたのが吉田さんであり、その上のM役員とのことです。なぜ安全に万全を期さなかったのか、少なくとも防潮堤があれば2号機の放射能漏れはなかったのでは、とも、4号機の津波被害も防げたのでは、とも。それらについては政府事故調も吉田さんたちに尋ねようとしたそうですが、答えず終い。

取材要請も結構あったようですが、東電は吉田さんがその件に触れられたくないので、との条件を出してきたといいます。結局、吉田さんへのインタビューはそうした条件を飲んだ人しか許されず、つまることろ東電の掌のなか、ということかもしれません。

【ブログ「森功のブログ」より】