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バスケット部顧問の「在宅起訴」と柔道部講師の「不起訴」を分けたもの(森 功)

大阪市立桜宮高校の男子生徒の自殺で注目されたバスケットボール部の元顧問が4日、大阪地検によって暴行、障害の容疑で在宅起訴されましたが、滋賀県内の中学校元講師による柔道部の死亡事故について、傷害致死ならびに業務上過失致死容疑で取り調べていた大津地検は、不起訴処分を決めた模様です。この二つの事件の違いはどこにあったのでしょうか。

桜宮高校の場合は取材してきたのである程度事情はわかりますが、滋賀県の事件について、報道によれば、<09年7月、練習中に(講師の)男性に技をかけられて意識を失い、翌月死亡した。遺族は翌年、男性を傷害致死容疑で告訴。県警が12年3月、書類送検した。地検は業務上過失致死容疑に切り換えて捜査したが、練習中の村川さんの様子から死亡を予見するのが困難と判断したとみられる。遺族は「捜査を尽くしてくれたとは思えない」と反発している>(5日付毎日新聞)とのこと。死亡との因果関係ははっきりしているが、予見できなかったという理由のようです。

翻ってバスケ部のほうは暴行、傷害容疑なので、必ずしも死亡との因果関係が明確でなくとも起訴できるということなのでしょう。これからそのあたりについて裁判で明らかにするといいます。司法がここまで踏み込むのは、イレギュラーかもしれません。

【ブログ「森功のブログ」より】