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人間の命に関する東電の不適切な回答と不誠実な姿勢(木野 龍逸)

6月2日に朝日新聞は、30年以上前から有機野菜栽培に取り組んでいたキャベツ農家の男性が福島第一原発の事故後に自殺した件について、東電が原発ADR(原子力損害賠償紛争解決センター。裁判外での和解交渉の場)の仲介により賠償に応じたことを報じた。しかし東電は、遺族が求めていた謝罪を拒否したと伝えた。

原発事故後に自殺、農家遺族に賠償へ 東電、謝罪は拒否(2013年6月2日 朝日新聞電子版) http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201306010245.html

6月5日に遺族は都内で会見し、東電が謝罪に応じていないことを明らかにした。共同通信によれば、東電は謝罪について「容赦いただきたい」と書面で拒否。会見した遺族の樽川和也さん(37)は「会社として線香を上げてもらわないと、和解しても心が晴れない」と述べたという。

東電、和解後も謝罪せず 遺族「心晴れない」(2013年6月5日 共同通信) http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060501001866.html

東電はその後、謝罪要求に応じたのだろうか。いや、いまだに遺族が求める謝罪はしていない。それだけでなく、弁護団が抗議するような対応もあったことが明らかになった。人の命に関わる重大な問題に関して、東電が責任を曖昧にし、不誠実な対応を続けていることが改めて浮き彫りになったのだった。

【ブログ「キノリュウイチのblog 」より】