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「みんなの民主党」で反安倍自民の野党再結集を急げ!(藤本 順一)

争点なき東京都議選は大方の予想通り、安倍内閣の高い支持率に後押しされた自民、公明両党の圧勝に終わった。合わせて82議席は定数127議席の3分の2に迫る。国政に置き換えれば、外形上は政権に返り咲いた昨年末の衆院選をなぞったような結果である。

野党はどうか。民主党が43議席から15議席に激減したのは言わずもがな。第3極では34人を公認した維新が橋下徹共同代表の「慰安婦発言」で2議席に止まり、社民、生活、みどりの3党は議席獲得ならず、漁夫の利を得たみんなの党が7議席を獲得。8議席から17議席に倍増した共産党は民主党を押し退け、都議会第3党の地位を占めたのが目を引く。

さてそうなると一月後に控える参院選も自民、公明両党の圧勝に終わってしまうのか。それとも野党、とりわけ民主党に巻き返しのチャンスはあるのかどうか。カギを握るのは選挙協力の成否と無党派層の投票動向である。

今回の都議選に当てはめてみると、投票率43・50パーセントは民主党政権誕生直前の09年の54・49パーセントから11ポイント減となり、過去2番目の低投票率だった。つまり、有権者10人のうち6人が棄権に回ったわけだが、これでは元来、無党派層の伸長が党勢の浮沈に直結する都市型政党の民主党は苦戦するはず。

また、各党別の得票率をみると自民党は36・04パーセントで前回より10ポイント増やしているが、一方で民主党は前回40・79パーセントから15・24パーセントに激減。しかし、これにみんなの6・87パーセント、維新の8・25パーセントを加えれば少なくとも数字上は自民党とほぼ互角となる。

そこまで欲張らずとも参院選前、みんなとの合流を先行して新党を結成してはどうか。党名は「みんなの民主党」にして、当面は党首にみんなの渡辺喜美代表、ナンバー2の幹事長は民主党の細野豪志幹事長でいい。反安倍自民の受け皿さえあれば、行き場を失った無党派層は再び投票所へ足を運ぶに違いない。その際、両党の接着剤となるのは、野党内を見渡してもやはり、生活の小沢一郎代表くらいしか見当たらない。周知のとおり、小沢氏は現民主党執行部とは良好な関係だ。また、新生党時代には、渡辺氏の父親で当時、自民党の実力者だった故・美智男元幹事長を首相候補に担ぎ出そうとしたこともあった。野合批判はマイナス要因だが、だからこそ何でもありの小沢氏でなければ務まらない大役だ。

自民、公明両党の勝ちは動かないにして、このまま座して死を待つよりいい。自分のことさえ、明日はどうなるか分からないのが政界である。

【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】