「東電に逆らうと天罰くだるぞ」と大新聞のベテラン記者から脅された(今西憲之)
まいど、いまにしです。
昨日、京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生の研究室に、またまた、おじゃましてきました。
1Fの原発事故以来、小出先生の研究室にはたくさんのマスコミが訪ねてくるようになり、海外メディアも少なく
ないそうですわ。
「訪れた海外メディア、決まっていうことがある。日本のマスコミは、なぜこれほど、政府の言い分ばかり
伝えるですか?ってね。政府の広報じゃないのに、どうしてなんだと。私には、いい答えがみつかりません」
と田中正造さんの人形をバックに、小出先生はそない言う。
確かに、原発事故の報道で政府やTEPCOの言い分ばっかり報じて、信用失くし、愛想つかされた日本のマスコミ。
私も含めてそうやわ。
原発事故のあった、2年前の6月といえば、福島第1原発に独自ルートで潜入する日が続いた。
それをまとめて書いたのは、9月やった。
「東京電力の敷地に取材許可なく入るのは、許せない。政府も許可してないと言っている。東京電力のや立場、事情をよく考えろ。取材はみんなで許可をもらい、きちんと政府やTEPCOの指示に従って邪魔にならんようにするのがルール」
と文句言ってきた、大新聞のベテラン記者がいた。
おかみの言うことは、逆らわず、横並びという日本独特のカルチャーゆえ、政府の言い分ばっかり報じるんやないかと、小出先生にいうと、
「なるほど」
それと、日本の大新聞、大テレビのえらい人も、たいてい政府の言い分ばっかり報じて、出世した。だから同じことやる記者がええんや、という感覚があるように感じるねん。
結局、政府の言い分ばっかり報じるのが、出世につながる、商売繁盛ってことやないか?
読者、視聴者よりも、そっちやないかと小出先生にいうと、
「なるほど」
小出先生の言い分が原発事故までは、あんまり伝えられんかったのは、まさに政府や電力会社の言い分と違うから。
おかみとちゃうこと、報じると、出世できん、嫌われるなら、やめとこう。
事故が起きたら、
「小出先生の言い分、正しいです」
それはないで、あかんやろう。
1F潜入ルポに文句言ってきた記者にワシは、
「TEPCOや政府は、爆発、事故を軽く見せようとしている。読者がほんまの原発の姿はどうなっているんか、知りたいにきまっている。その声にこたえて、何がアカンねん」
と反論した。
すると記者はこう捨て台詞をはいた。
「東京電力に逆らう、言うこときかないと天罰が加えられるぞ」
天罰を加えられたのは、私なんか、TEPCOか?
誰が見ても、明らかや。