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橋下徹大阪市長の「恥舌」釈明会見と失われた日本人の美徳(藤本 順一)

従軍慰安婦をめぐる一連の発言で窮地に立たされている日本維新の会の橋下徹共同代表が27日、日本外国特派員協会で釈明会見を開いた。

この中で橋下氏は駐沖縄米軍兵士に対して風俗業活用を勧めた発言について「米軍のみならず米国民を侮辱することにもつながる不適切な表現だった」と謝罪した。

と、ここまでは良かったが一方で戦時下、日本の従軍慰安婦制度を「当時は必要だった」とした発言は撤回せず、「日本だけに特有の問題があったかのように日本だけを批判し、日本以外の国々の兵士による女性の尊厳の蹂躙について口を閉ざすのはフェアな態度ではない」と開き直った。

またこの前日、出演したテレビ番組では「(自民党は)侵略と植民地政策を認めた周辺国に損害と苦痛を与えたことをおわびすると言っているのに、国内向けには(慰安婦の)強制連行はない、自虐史観はだめだと。この二枚舌がダメだ」とその矛先を安倍自民党にも向けている。

その昔、押し入った家人に「戸締まりが悪い」と言い放った「説教強盗」がいた。あるいは北朝鮮労働党や中国共産党の自己正当化の屁理屈にも通じるような。他国の非を詰り責めても自国の非を正当化できるわけではあるまいし。いつまでたってもタレント弁護士の域である。もはや、公党の代表に留まることは赦されまい。大阪市長の職に専念したらどうか。

歴史認識については安倍晋三首相が先の国会答弁で過去の植民地支配と侵略を認めた「村山談話」を引き継ぐとして、27日の講演で「わが国はかつて、とりわけアジア諸国の人々に対し多大な損害と苦痛を与えた。そのことに対する痛切な反省が戦後日本の原点だった」と述べているとおりだ。従軍慰安婦についても河野談話の継承を24日に閣議決定している。

政治家個人としての思いは様々だろうが、日本国としての公式の立場はこれ以上でも以下でもない。謙虚は日本人の美徳である。

【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】