後半国会の主役は陰の幹事長・二階敏博と200兆円公共事業「国土強靱化」利権(藤本 順一)
陰の幹事長とも言われる自民党の二階俊博総務会長代理が7日、自らが率いる派閥「志帥会」の政治資金パーティーを開いた。公称3千人の来場者数は先に行われた麻生派「為公会」の2千500人を越える規模だ。その集客力の源泉になっているのが、二階氏が主導する「国土強靭化」のための総額200兆円にのぼる公共事業であることは永田町では周知の事実だ
「東日本大震災のような災害で再びあのような悲しい思いを、日本のどの地域にもさせてはいけない。国土強靭化法案を今国会で必ず通す」
壇上に立った二階氏がこう言い放つと会場は破れんばかりの拍手に沸いた。
確かに災害に強い国土であることにこした事はないが、一方で公共事業の垂れ流しを危惧する声も聞こえてくる。二階氏はまったく意に介していないようだが野党は夏の参院選でこれを攻めてくるはず。強引に法案成立に突き進めば、後半国会の争点に浮上する可能性がある。
ねじれ国会解消を最優先に手堅い政権運営に努めてきた安倍晋三首相がどう判断するか見物だが、まずは反国土強靭化で野党が足並みを揃えることができるかどうかにかかっている。
もっとも連休明けの国会は7日、民主党など野党7党が共同で川口順子参院環境委員長の解任決議案を提出、これに反発した自民、公明両党は翌日の参院予算員会を欠席している。
参院選を前に与党との対決ムードを盛り上げたい野党の立場も分からぬではないが、連休中に外遊した川口委員長が届け出なく委員会を欠席したことが解任動議提出の理由というから、野党共闘も善し悪しか。
また7日の参院法務委員会では自民党の6人の委員のうち3人が欠席したため開会できずに流会となってしまった。国民からすれば、与野党ともに“ふざけるな”である。
【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】