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民主党が作成したアベノミクス批判ビラの目クソ鼻クソ(藤本 順一)

国会は連休明けから後半戦に突入するが、すでに今年度予算案は15日の参院本会議決で与野党が合意済みであることから、波乱要因は見当たらない。一つあるとすれば、衆院の選挙制度改革くらいか。30日、街頭に立った民主党の野田佳彦前首相は自民、公明両党が今国会、衆院小選挙区「0増5減」区割り法案の先行処理と定数削減の先送りを決めたことに対し「安倍晋三首相は2012年11月の党首討論で約束したと言っているが、大きな間違いだ。0増5減だけを約束したのではなく、政界も身を切る覚悟を示さなければいけない」と批判した。

確かにその通りだが、当時を振り返ってみれば定数削減の確約を条件に解散に踏み切った野田首相も一方の当事者だから責任の一端はあろう。

民主党は選挙制度改革を参院選の争点にしたいようだが、そうであればなおさら、とりあえず違憲状態の解消し、定数削減などの抜本改革は7月参院選の結果を待って仕切り直しするしかない。

参院選は早ければ7月4日公示、21日投開票となる。第2次安倍政権発足後初めての本格的な国政選挙だ。最大の関心事はアベノミクスの経済再生戦略と自民党が政権公約に掲げる「憲法改正」を国民有権者がどう評価するかだ。

自民党はすでに47選挙区に49人、比例24人の公認候補の擁立を決めている。さらに連休明けにも「地方再生なくして日本再生なし」とする経済政策をまとめ、政府の日本経済再生本部が6月に策定する経済成長戦略や参院選の公約に反映させる。

具体的には「法人税ゼロ特区」の設置や地域企業向け「小口投資」の税制優遇、企業育成のための「ベンチャー創造会議(仮称)」設置や働く女性を支援する「家事支援税制」など盛り沢山だ。

自民、公明両党で63議席を上回ればねじれ国会は解消、さらに日本維新の会とみんなの党を加えて162議席を上回れば「憲法改正」が視野に入る。

民主党はといえば、先月30日の両院議員懇談会で「バブルではなく実態経済で経済を回復し、格差を縮小します」「アベノミクスで皆さんの生活はよくなりましたか?!」などと記されたアベノミクス批判のビラを配布、11日には若い世代を対象に「公開大反省会」を開催してインターネットで生中継するそうだから、呑気なものだ。

【ブログ「藤本順一が『政治を読み解く』」より】