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【速報】世界報道自由デーにパリで逮捕者(瀬川 牧子)

5月3日は『世界報道自由デー(World Press Freedom Day)』。同日早朝、パリに本部を置く国際ジャーナリスト人権保護団体『国境なき記者団』が、自由報道を妨害する世界の独裁者らへの抗議表明として、「芸術の都・パリ」の人権活動家らしく過激な芸術的キャンペーンを打ち出した。

パリの地下鉄構内などの至ところに、人権活動家らが早朝から、「天敵 2013年 情報の自由」と指定された世界の独裁者 などの縦横幅3メートル以上特大ポスターを張り出したのだ 。ポスターは非常に挑発的だ。ポスターの見出しは、「5月3日 世界自由報道デー 情報の自由なくして、権力に逆らうことは出来ない」。写真では、北朝鮮の金正恩第一書記、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン独裁者らが、中指を立て自由報道を侮蔑 している様子が伺える。

視覚的アピールに訴えた派手な演出は人々の目を引き付けた。この大胆なキャンペーン活動中、複数の活動家が逮捕された 。参加者の一人で、『国境なき記者団』のアジア太平洋デスク、ベンジャミン・イシュマルさんは淡々とこう語る。

「自由報道の天敵を広報する上で、今朝(3日)、独裁者らの巨大ポスターを地下鉄の駅内などに張っていました。しかし、結果として警察に捕まり、警察署に身柄を確保されることに。でも我々が捕まっている間に、他の複数の仲間チームらがパリの各地に小さめのポスターを張り続けてくれました」

『世界報道自由デー』は、20年前に『国境なき記者団』が発案した日でもある。今回、同記者団は、世界の大統領、軍事指導者ら39人をジャーナリストや情報提供者を殺害、誘拐、拷問などした罪で「自由報道の天敵プレデーダー」として糾弾。写真付きのプレスリリースも発表した。

「彼らは自由報道の天敵だ。そしてこれらの人物らの上には、メディアやジャーナリストに対する最悪な虐待事例への責任がある」と同記者団のクリストフ・デロワール事務局長は非難の声を上げる。「天敵は日に日に力を増している。2012年は、過去にないほど、情報提供者らへの人権侵害件数が見られた。そしてジャーナリストの殺害数は過去最高を記録した」とデロワール事務局長は指摘する。

「自由報道への天敵」として、今年の5月3日には、新たに、中国の習近平国家主席、シリアの聖戦部隊・ジャブハト・アル=ノスラ、エジプトの同胞団支持者 などがリストに追加された

世界報道自由デーは、自由報道の為に戦い命を落としたり、身の危険に晒されたりしているジャーナリストや報道関係者らの業績を称えるための日となっている。

 

『国境なき記者団』が主催した世界の独裁者ポスター閲覧はこちらからも見れます。

http://fr.rsf.org/sans-liberte-de-l-information-pas-03-05-2013,44570.html

 

【NLオリジナル】