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暗躍するフィクサーに見た、原子力ムラの底知れぬヤミ(今西 憲之)

まいど、いまにしです。

4月24日、25日、TBSの『ニュース23』で、鹿児島県南大隅町の森田町長が、政府から打診を受け、放射性廃棄物最終処分場の誘致を検討していたことが明らかになった。

また、会社経営の男性に、放射性廃棄物最終処分場だけでなく原発建設や使用済燃料貯蔵、ウラン濃縮工場などの交渉を任せる委任状に森田町長がサインしていたこともわかった。

TBSは、森田町長が会社経営の男性ともに、仙谷由人元官房長官や細野豪志元環境相、東京電力の勝俣元会長らとも昨年、会談していたと報じている。森田町長もその事実を認めている。森田町長と仙谷氏が会談するシーンまで、撮影しており、すごい力作や。

ワシは、『週刊朝日』4月12日号で、「鹿児島で暗躍する、原子力ムラの謎のフィクサーと東電・勝俣前会長」っていう、記事を書いてまんねん。そのフィクサーっていうのが、TBSではX氏と紹介していた会社経営の男性やねん。

ワシが取材したフィクサー、温泉地で有名な鹿児島県指宿市に目もくらむような、とんでもない豪邸をもっていた。白亜の豪邸って、こういう家をいうねんと思ったわ。

キンキラキンのゲート、庭には見えただけで、高級外車3台。隣接地には、真っ白い陸橋がかけられ、砂浜とプール。馬が歩けるパドックまであり、白い馬がつながれていたな。

この豪邸には、ペルーのフジモリ元大統領まできたそうや。近くの港には、豪華なクルーザー。1隻はフィクサー、もう1隻はフィクサーの家族が所有。そのクルーザーで、フィクサーに案内され森田町長の前任の町長や町幹部らが核関連施設の誘致場所を見学したこともあった。

[caption id="attachment_8077" align="alignnone" width="459"] 豪邸の庭[/caption]

「とにかく、政界の大物をよく知っていた。フィクサーを私に紹介してくれたのは、地元の衆院議員の森山先生です。いい話があるからというので、信用しました」と南大隅町の前町長はワシにフィクサーのことをそないいうとった。

森山先生と言うのは、自民党の森山裕衆院議員のこと。事実、フィクサーの会社は、大臣経験者を役員に据えたり、大物政治家の政治団体に事務所を提供するなど、パイプの太さは十分、うかがえる。

ワシは3月、フィクサーと2度にわたり、1時間以上、向き合って話をした。フィクサーは、南大隅町だけでなく、鹿児島県種子島での同じような施設の誘致をしていた。聞けば、鹿児島県だけでなく、あちこちで、核処分場の誘致しているという。

「どうしても必要なものだから。嫌な仕事だが、誰かがやらなきゃ仕方ないので、自分でやっている。すべて、ポケットマネーで活動している」と話した。

勝俣元会長は知っていると認めたが「よく会うってことではない。電力会社などからは、カネはもらってへん」けど、指宿市の豪邸を見たら、とてつもない金持ちであるのはよくわかる。すごい豪邸でんなぁ~っていうと「たいしたことないがな」って余裕やがな。

TBSが報じた委任状。森田町長はワシの取材に「サインしたのは、南大隅町の商工会会長の時代で、町長になってからはしてまへん」と言うとった。だが、TBSの取材には委任状にサインしたことを認めた。

委任状について聞くと「もう前のものだから、どっかにいった。たぶん、手元にはないよ」

そして、誘致については、南大隅町では、核関連施設を誘致しないことを条例にしていることをあげ、「鹿児島、南大隅町はアカン」「もう誘致でけへん、鹿児島県だけでなく、全国、どこもな」

そこで、鹿児島県南大隅町で候補地となっているとされる地名をあげると、「そこやない。候補地は別」と必死で否定。なんや、やっぱり、誘致に動いてるねん。

ホンマ、原子力ムラはこんなフィクサーが、暗躍するんやと、感心やわ。

[caption id="attachment_8078" align="alignnone" width="332"] 鹿児島県南大隅町の森田町長[/caption]

【NLオリジナル】