双葉町長選挙、政策提言型公開討論会、その1(おしどりマコ)
2013年2月26日「双葉町長選挙、政策提言型公開討論会」が
福島県郡山市ビッグパレットにて行われた。
主催は浪江町青年会議所である。
なぜ、浪江町青年会議所が、双葉町長選の公開討論会を企画したのか。
開催趣意書にはこうある。
「双葉郡は大きな転換期を迎えており、震災からの復旧・復興及び仮の町構想、
放射能汚染の問題をはじめ、除染作業のやり方や放射能による健康問題、
中間貯蔵施設の国からの要望など様々な問題を抱えています。
この現状を変革し、双葉郡の未来をすばらしいものにして行く為には、
町民一人一人が、他人任せの考えから脱却し、町民が主体的に政治に参加できるようなシステムの構築が必要であると考えています。
それを実現させる第一歩が『公開討論会』と考えます」
浪江町や双葉町ではなく、「双葉郡」として問題をとらえているのだろうか。
後日、浪江青年会議所の広坂光広理事長に直接取材して聞いてみた。
「自分自身、双葉町の方々とつながりも深く、大きく関わっています。
どなたが町長になるか、というのは近隣の自治体にとって他人事ではありません。
とくに、今のような状況では。
自分の町、という感覚ではなく、同じ地域として考えたいと思います。」
――いつごろ公開討論会を企画し動き始めたのですか?
「本格的に決めて動いたのは、井戸川前町長が出馬を発表されたときです。
だから、とても急で準備が大変でした!!」
――なぜ、井戸川前町長が出馬を決めたときに公開討論会を開こうとされたのですか?
「それは、きちんと立候補者の考えを聞いて、
自分で判断して責任を持って投票に行ってほしいと思ったからです。
人の意見にとらわれず、自分で選んでほしい。
町長しだいで、これからの将来は町を左右しかねません。
きちんと立候補者の話を聞いて、判断して、選挙に行ってもらうのが目的でした。」
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しかし、井戸川前町長は28日、出馬を断念した。
この26日の公開討論会開始前は出馬を予定していた笹田淳氏は、
討論会終了後に出馬しないことを発表した。
27日に、公開討論会に出席した久保添隆資氏、欠席した荒井英夫氏も出馬しないことを発表した。
この2名の出馬辞退の理由は「井戸川町長と話し合意が取れたから」ということである。
出馬しなかった3名を含むが、公開討論会の内容をまとめる。
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この政策提言型公開討論会は、クロストークはなく、それぞれが数分ずつ順番に話していくという形式であった。
質問は事前に各登壇者に渡されてある。
26日の時点で双葉町の町長選への立候補者は、下記の計8名であり、
荒井英夫氏のみが欠席であった。
(五十音順)
荒井英夫氏(54)グレートサスケ氏のプロデューサー
伊沢史朗氏(54)前双葉町議会副議長、埼玉県久喜市
井戸川克隆氏(66)前双葉町町長
尾形彰宏氏(54)IT開発業代表、元双葉町町議、いわき市、
久保添隆資氏(60)団体役員、千葉県浦安市
笹田淳氏(47)会社役員、双新電子、探偵、横浜市
染森信也氏(52)無職、元福島第一原発医療班看護師、山梨県上野原市
丹野恒男氏(71)会社役員、タンノコーポレーション、福島市
くじ引きをして発表順、席順を決め、トップバッターは順にずれていくという方式であった。
最初の順番、席順は
伊沢氏→緒形氏→笹田氏→染森氏→井戸川氏→久保添氏→丹野氏
である。
最初は自己紹介を兼ねてのあいさつであった。
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伊沢史朗氏
議会と執行部がきちんと対話ができていなかった、
町民のみなさんの声を聞く努力をしなかった、
そういったことが今回の問題になってきていると思う。
私は多くの議会の仲間から支持を受けて立候補するに至った。
議会と執行部の関係修復をすることが大切。
いわき市長、いわき市民のみなさんに感情を逆なでする発言があった
県に対する信頼関係の修復、いわき市長に素直にお詫びをする、
そういったことから始めたい。
尾形彰宏氏
双葉町がふるさとである。
IT関連の個人事業をしている。
双葉地方のインターネット情報サイトを運営している。
震災後は収束支援や
環境省公募の除染作業除染データ入力処理を提案してきた
ユーチューブのふるさとTVで懐かしい祭りや行事を掲載している。
2002年には双葉町町議会議員に。
中越地震があって原子力行政に不安を感じ町長選に立候補した。
今までの理念をもって立候補した。
笹田淳氏
県立双葉高校を84年に卒業。
父は笹田正一という。双葉町で双新電子という会社を昭和56年に双葉町で開業した。
父が平成10年に他界してから、送信電子を継いだ。
震災によって、双葉町町民全員が被害者になった
被災者でもあり、被害者でもある。
被害者の代表として闘っていきたい。
再開後の売り上げは1割未満。
続けることを理念として、双葉町の企業として
町民のみなさまと協力して町を永遠に続けたい。
染森信也氏
1960年大阪府生まれ
東京都の職業訓練校で働いていた。エンジニアとして。
看護師、針きゅう、の資格もとった。
昨年、福島第一原子力発電所やJヴィレッジ診療所にて
健康管理、診察補助をしていた。
東京電力の嘱託社員として1年契約で働いていた。
法務省と東京都の職員として13年行政で働いていた経験からみなさまの就業支援、
エンジニアとして、放射性廃棄物の管理と廃炉の計画
看護、針灸の知識を生かして、みなさまの健康管理をしたい
という思いからここにきた。
井戸川克隆氏
今まで町長職をつとめてきたが、昨年12月不信任になった。
町民のみなさまには大変ご迷惑をかけた。
ずっと双葉町で育っている
双葉町を愛してやまない
双葉町の先祖伝来の土地を守っていきたい、という強い思いがある
地域崩壊、家庭崩壊、いろいろ発生した。
避難の指示はきたが、それ以外の指示が何もないまま
国の会議、県の会議にも参加できない中、決断を決めることもあった
一方的、何事もみなさんにご報告が足りないということのお叱りも。
しかしそれに見合うだけの資料も届いていないのが現状
辞職を決意してまた再度立候補した。
多くの課題にとりくんでいかないといけない
庶民の生活再建、賠償を積極的にやっていきたい
そういう思いで立候補した。
久保添隆資氏
双葉の生まれではない
四国徳島の生まれで60ちょうど。
NPO活動を通じて1年半福島の方々と毎週おつきあいをしながら
情報収集しながら、どういう復興をしたらいいのか議論しながらやってきた
双葉町のケース
まさか、というふうに思われるかも
ドバイのような世界一裕福な街づくり、可能だと思っている
そういう構想を質問の中で次々発表していきたい
今日は来ていないが、荒井秀夫というもう一人、仲間うちから立候補宣言した者がいる。
誰か町長に、というよりも
実効策を提示して、みなさまが選ぶというスタイルを作っていきたい
丹野恒男氏
福島市松川出身昭和16年生まれ。
この中で一番としよりの部類
東洋大学法学部法律学科
衆議院の事務局として国家公務員を務めた。
官房副長官、福島出身の亀岡高夫先生の秘書として官邸にいた。
そののち、福島中央テレビの創立の役員になった。28歳のとき。
福島県議会の議員も1期務めた。
今回、立候補するにあたって
みなさんの帰る町をどうやって作れるのか
のちの時間でお話したい。
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こののち、浪江町青年会議所からの質問が3問ある。
その質問に入る前に、久保添隆資氏が自己紹介の中で話された
「今日は欠席した仲間うちの荒井英夫氏」について記す。
久保添氏と荒井氏がどういうご関係か調べた。
久保添氏と荒井氏の届け出住所は同じ所であり、名刺を見ると、
久保添氏は「福島維新会議 代表代行」
荒井英夫氏は「福島維新会議 幹事長」
という肩書きになっている。
久保添氏と荒井氏にたびたび連絡をしたが、連絡はつかなかった。
なので、福島維新会議のほうに問い合わせた。
――久保添氏と荒井氏の立候補について伺いたいのですが…
「それは個人でないとわからないです。」
――では久保添氏が活動されている川内村のNPOというのは中小企業経営者支援機構のことでしょうか?
「はい、そうです。」
――『福島維新会議』は『維新の会』と関係があるのですか?
「いえ、全く関係ありません。」
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福島維新会議のサイトはこちらである。
http://ishinkaigi.com/index.html
中小企業経営者支援機構のサイトはこちらである。
http://chushokigyo-shien.jimdo.com/
福島維新会議の会長は曽我部俊也氏、
中小企業経営者支援機構の代表理事も曽我部俊也氏である。
中小企業経営者支援機構と、そのHP内にある国際放射能学術センター村について、
少々気になる情報があった。
東京大学工学部のHPにこのような文章が掲載されていた。
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/topics/2012/12121701.html
「内閣府特定非営利活動法人 中小企業経営者支援機構」及び
「一般社団法人 福島自然エネルギー開発機構」と称する団体が、
「福島県に東京大学大学院工学系研究科が関わる国際放射能学術センター村を設置し、
放射能汚染地域の利用方法及びガレキ処理方法の仕方を研究する」旨の宣伝を行い、
企業等に対し寄付要請の活動をしているとのお問い合わせが東京大学へ寄せられていますが、
「内閣府特定非営利活動法人 中小企業経営者支援機構」及び「一般社団法人 福島自然エネルギー開発機構」は、
東京大学とは一切関係なく、上記宣伝内容にある「国際放射能学術センター村」に
東京大学が関与した事実はございませんのでお知らせ申し上げます。
中小企業経営者支援機構のHPにはこのような文章が掲載されていた。
http://chushokigyo-shien.jimdo.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B-1/
東京大学大学院及び工学系研究室は福島復興プロジェクトに参画をしていました。
東京大学大学院は、NDA違反及びプロジェクト本部との契約違反が判明致しました。
原因は東京大学大学院が朝鮮企業と密談をしたことです。
よって、東京大学大学院及び工学系研究室は福島復興プロジェクトから辞退をして頂きました。
中小企業経営者支援機構と東京大学大学院において、何らかのトラブルがあったのだろうか。
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討論会の主旨と登壇者の紹介が終わったところで、質問にうつる。
しかし、長くなるので次回に記す。
筆者が体調を崩したため、記事にするのが遅くなっていることをお詫びしたい。
【NLオリジナル】