アベノミクスで本当に景気がよくなるのか?(森 功)
アベノミクスで円安が進み、株価も上がっています。新聞各紙はいかにも景気がよくなったかのように報じていますけど、そうでしょうか。そこで本日発売のアサヒ芸能「森功のニッポン裏経済新聞」では円安について取り上げました。
円安効果で来年こそは企業業績向上、給料・ボーナスアップと景気のいい話が新聞各紙に躍り始めている。大幅赤字に喘いだパナソニックやシャープはさておき、韓国勢にやられ放しだった電機業界でも明るい兆しが見え、日立製作所などは来年3月の1500億円の黒字予想。先の春闘で労組が賃上げ要求している。
(中略) だが、円安といっても、今の1ドル90円台はさほどの大変化ではない。この数年で見ると、07年6月に付けた円の最安値が1ドル124円。その要因はヘッジファンドブームによる米国や欧州発のミニバブルだった。日本も規制緩和、グローバリズムの名の下で景気がよくなったが、欧米よりは儲けが少なかったため、相対的に通貨価値が下がり、円が安くなったわけだ。
が、翌08年にリーマンショックに見舞われ、欧米発のミニバブルが崩壊。日本の景気も冷え込んだが、欧米に比べると被害が少なかったので、逆に円髙が進んだ。一挙に、1ドル70円台の円高まで達したのは記憶に新しい。
要は、今回はそこから少しばかり円安になっただけ。1ドル93円程度の円安であり、大喜びするほどの話ではないのである。
現在の株価は1万1000円台。1万5000円というのが一つの試金石、という見方がもっぱらのようです。
【ブログ「森功のブログ」より】