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北朝鮮核実験のXデーは、1月30日か2月10日?(辺 真一)

国連安保理の制裁決議に反発して、北朝鮮がどうやら3度目の核実験に踏み切るようだ。

北朝鮮は23日の「物理的対応措置を取る」との外務省声明に続き、24日には最高権力機関の国防委員会が「高い水準の核実験」の可能性を示唆する声明を出した。

そして25日には労働新聞が「核実験は民心であり、他に選択はない」との正論を掲げ、26日には最高司令官である金正恩第一書記が国家安全外交会議を招集し、「実体的で強度の高い国家的重大措置を取る断固たる決心をした」と伝えた。

これにより北朝鮮の核実験はやるかやらないかではなく、いつやるか、それも早いか、遅いかに焦点は移ったようだ。

結論から言うと、予想される以上にその時期は早いかもしれない。決断した以上、遅らせる理由はどこにもない。一時は、米国との交渉の余地を残すため、時期を遅らせるのではとの「期待」もあったが、安保理に制裁決議を提出したオバマ政権が実験を思いとどまらせるためにアメやニンジンをぶらさげる可能性はほぼゼロに等しい。

その理由は、オバマ政権が一貫して「悪行には見返りを与えない」「北朝鮮の瀬戸際外交の度に交渉する悪習を断ち切る」との強気な姿勢を示してきたからだ。北朝鮮との取引に応じることは、北朝鮮の威嚇に屈することになるだけにこの期に及んでの交渉の選択の余地はないとみてよい。

金正恩政権も、決心した以上、準備ができ次第ためらわず核のボタンを押すだろう。ためらいや迷い、あるいは引延しは、弱気の表れと映るからだ。「米国との全面対決戦に出る」(国防委員会声明)と宣言し、米国とのチキンレースを宣言した以上、強気一辺倒に出ざるを得ない。

さて、核実験のXデーだが、過去のケースだと、1回目の2006年の時は、核実験計画を発表した外務省声明から6日後に行っている。また、2回目の2009年の時は、「核実験を含む自衛的措置を講じる」との外務省声明が出て26日後に決行している。今度はどうか?

一般には金正日総合書記の誕生日にあたる2月16日前が有力視されているが、すでに23日に外務省声明が出ているので、早ければ、今月中にもありえる。最短で明後日(30日)の可能性も考えられる。

北朝鮮では28日から労働党第4回細胞秘書大会が開かれる。今朝の労働新聞は6年ぶりに開かれる今大会は、金正恩体制下で初の大会となるだけに「歴史的な大会」と位置付けている。大会の最終日に核実験を成功させれば、士気が上がり、金正恩第一書記の求心力も高まるだろう。

また、この日は韓国が人工衛星を打ち上げる日である。過去2回失敗しており、3度目の打ち上げとなる。成功すれば、韓国にとっても国威発揚となる。しかし、北朝鮮が核実験をこの日にぶつければ、お祝い気分も一瞬にして吹っ飛んでしまう。

2月だと、10日が有力だ。この日は北朝鮮が核保有を宣言した日にあたるからだ。8年前の2005年2月10日に米国の核脅威に対抗して北朝鮮は初めて核を保有していることを宣言した。北朝鮮にとっては核保有国に踏み出した歴史的な日でもある。

昨年12月のミサイル発射では12月1日に「10日~22日までの間に打ち上げる」との予告があり、さらに直前になって「故障が生じたので発射期間を30日まで延期する」と通告した上で当初の計画通りの12日の発射となった。北朝鮮のフェイントにより日米韓の情報機関は裏を掻かれた格好となった。

仮に金正恩氏が「核実験なら局地攻撃もあり得る」との昨年4月のロックリア米太平洋軍司令官の発言が頭にあるなら、核実験場への米国の先制攻撃を警戒し、今回も意表を突く可能性が高い。

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