アルジェリア、日本人技術者拘束事件の現場(今西 憲之)
アルジェリアで地下資源開発にあたる、日本人技術者拘束事件。
「3人、生存だ」
というニュースが流れたり、
「2人が死亡した」
と報じられるなど、今も情報が錯綜しているようやな。
かつて、同じ地域で仕事をしていた、日本人技術者に様子を聞いてみました。
「アルジェリアは親日的で政府間でも、大きな懸念はない。しかし、事件現場は砂漠地域。アルジェリアは首都アルジェなど北部が中心。なかなか、事件現場のある東部、南部には政府の支配が十分ではなく、地方の部族が力を有している。石油や天然ガス資源の大半が東部、南部です」
「事件現場のプラントのある場所。見渡す限り、砂漠地域。そこに、日本人やアメリカ、イギリスなど欧米人など、世界の10か国を超す人が働いていました。全体が高いフェンスで囲われています。その中に、トレーラーハウスの住まいがある。そこをキャンプって呼んでいます。だから、フェンスの外に出ることはほとんどありません。
フェンスの内外は、アルジェリア軍が厳重に包囲し、管理しています。アルジェリア軍兵士はライフルを肩から常にかけており、平和の国、日本からみると、最初はすごく驚きました。時より、アルジェリアの内政が不安定になると上空に戦闘機が飛んでいたり、戦車がやってきたりしていました。しかし、身の危険を感じることはほとんどなかった」
「今回、アルジェリア軍の包囲網を破ってきた武装勢力はかなりの装備と情報を得てきたと現地の友人は言っています。アルジェリア軍が戦闘を早いタイミングで仕掛けたのは、武装勢力が砂漠地域で人質を連れて移動しているのを見つけ、攻撃したらしいとも話していた。リビアで政変が起こり、その関係で余った武器がアルジェリアに流入。治安がわるくなり、部族間同士でも衝突が起こるようになったいたとも話していた。
しかし、先にも言ったように、首都から遠く離れた東部に展開する軍を、政府が十分にコントロールできていたのか。現場で長く過ごした者としては、疑問だ」
【ブログ「商売繁盛で笹もってこい!」より】