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落ちぶれた民主党、すでに第三極気分の議員たち(神田 知子)

代表選が露骨にランクダウン、民主党が第三極になる日

年の瀬に、諸行無常をこれほど噛み締めることもそうないだろう。

いまや風前の灯火となった民主党のことだ。25日に代表選が行われたが、かつては400人超を誇った与党の面影はなかった。

26日の安倍政権発足前だったため、ホテルの入口こそ黒塗りのハイヤーが並び物々しい雰囲気だったが、会場内は寒々しかった。

以前はザ・プリンスパークタワー東京やホテルニューオータニで、国会議員と報道陣合わせて優に1000以上が収容できる会場だったが、今回は東京プリンスホテルに「ランクダウン」。

議員席はもちろん、記者席も“スリム化”した。9月の代表選で会場内に設置された記者席約370席に対して、今回は210席。そこには民主党議員の秘書がまじっても空席が目立った。

投票も以前は1回につき30分かかっていたが、今回は10分ほどで終わった。

会場内の雰囲気も、高揚感は感じられない。まさに「都落ち」--。

さて、肝心の代表選は、「民主党を日本から消してしまうわけにはいかない」などと訴えた海江田万里元経産相が145票中90票を集め選出された。民主党関係者の話。

「演説は『政権奪還3カ年計画』と力強く訴えた馬淵(澄夫元国交相)さんの方がよかった。だから、当初海江田さんが100票固めたと言われていたのに、90票になったんだろう。馬淵さんの方が野党としてイメージもよかった。でも、選挙でぼろ負けしたら、人のいい海江田さんのような癒し系がいいとなってしまう。能力などはさておき、09年の総選挙の後、自民党で谷垣禎一さんが総裁に選ばれたようなもの」

参院は民主党が比較第一党だが、他党が触手を伸ばしているとも言われていて、第三極への足音も聞こえてくる。癒し系の手腕が試されるところだが……。

代表選後、ホテルの前で男性議員Fと女性議員Tが一緒にタクシー待ちをしていた。

「タクシー一緒に乗ったら、書かれるかな」

という男性議員に対して、女性はこう言った。

「うちら世の中からはじきだされた党やから書かれへんよ。書かれても週刊新潮くらいやわ」

蚊帳の外を自認。党内はすでに第三極の気分らしい。

【NLオリジナル】