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安倍新政権がブチ上げる被災地救済構想の成否は「人」しだい(藤本順一)

 自公連立政権が週明け26日、発足する。自民党の安倍晋三総裁と公明党の山口那津男代表は18日の会談で大型補正予算の早期編成や震災復興の加速、民自公3党合意に基づく衆院選挙制度改革の実現など連立政権が取り組む政策課題について意見調整した。

 翌日、補正予算の規模について自民党の高村正彦副総裁は「マクロ経済的に見て10兆円程度のものは必要だ。いつかやらなくてはいけない公共事業であれば、不況の時にやるのが財政上もいいし、景気回復に結びつく」として、防災、減災事業を前倒しで計上する意向を示している。

 ぜひ、そうあって欲しいものだが、合わせて求めたいのは被災地復興と原発事故対応のスピードアップだ。

 「総理大臣になったら被災地に足を運び、しっかり見て欲しい。まずは状況を認識することからだ。課題などお願いすべきところは引き継ぎ、次の態勢につなげる」

 政権を追われる民主党の平野達男復興相は18日、閣議後の記者会見でこう述べた。

 今になってもそんな悠長な事を言っているからガレキ処理も、放射能の除染作業も遅々として進まないのだ。

 新しい政権がやることは決まっているではないか。速やかにガレキ処理の最終処分場を確保すると共に福島第一原発の封じ込め策を示すことだ。被災地住民の健康不安にも充分に応えているとは言い難い。最先端の医療技術、マンパワーを結集した健康管理センターの設置が待たれる。被災地復興と原発事故対応への政権の思いを目に見える形で内外に示すことが何より重要だ。

 そのためにも第2次安倍内閣の顔ぶれには国民の誰もが納得する人材を充てて頂きたい。

 安倍総裁は内閣の要となる官房長官に側近の菅義偉幹事長代行を、盟友の麻生太郎元首相の副総理兼財務相の起用を考えているようだ。新設する経済再生担当相にはこれも側近の甘利明政調会長が有力視されている。景気回復を最優先にする布陣としてはお三方とも実力的には申し分ない。一方で原発を所管する経済産業相や被災地復興の陣頭指揮を執る復興相は世論の矢面に立たされるだけに人選を誤れば政権の命取りになりかねない。注目の人事である。

【東京スポーツ「永田町ワイドショー」12月19日入稿原稿)より】