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北朝鮮のテポドン発射を中国は止められるのか!?(辺 真一)

ジョンズホプキンス大国際大学院の米韓研究所が29日、同研究所のウエブサイト「ノース38」に公表した問題の北朝鮮の長距離ミサイル(北朝鮮は衛星と主張)発射の動きに関する分析報告書を載せている。

それによると、ミサイル発射準備は来週末(12月9日)までには終了するとのことだ。このままでは、早ければ12月中にも、遅くとも来年1月には発射される可能性が高いようだ。

こうした動きが表面化するにつれ関係国の動きも慌ただしくなってきた。

北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の韓国首席代表の林聖男・朝鮮半島問題平和交渉本部長が昨日中国を訪問し、中国の6か国協議主席代表を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表と会い、北朝鮮にミサイルを発射しないよう説得を要請した。

その中国は、林聖男本部長が北京入りしたその日に、入れ替わるように李建國全人代常務委員会副委員長が率いる共産党代表団を平壌に派遣した。代表団には今年7月に訪朝し、金正恩第一書記と会談した王家瑞党対外連絡部長や劉結一党対外連絡部副部長らも加わっている。

王連絡部長の訪朝の際には、金第一書記との会談は帰国直前の3日後に行われ、金第一書記が主催した晩餐会には軍No.1の座を占めた崔龍海軍総政治総局長、後見人の叔父の張成沢国防副委員長、対米外交ブレーンの姜柱錫副総理らが出席していた。

今回も、金第一書記との面会は確実視されているが、どのような会談結果になるのか、晩餐会が開かれるのかどうか、注目される。

中国は今回、北朝鮮の一連の動きに対して「国際法に従い、どの国にも宇宙を平和的に利用する権利がある」として、北朝鮮の平和的宇宙利用権(衛星発射の権利)を認めつつも、「権利の行使は国際的ルールに沿ったものでなければならない」として、北朝鮮に対して発射を禁じた一連の国連安保理決議を順守するよう求めている。「いかなる国も朝鮮半島の平和と安全にためにならないことは自制すべき」というのが一貫した中国の原則的立場だ。

こうしたことから日米韓の3国は中国の説得に期待を寄せているが、現実には、北朝鮮は中国の意向に反し、テポドンミサイルの発射実験を過去3回、核実験を2006年、2009年と二度強行してきた。

中国の説得に北朝鮮が耳を貸そうとはしないのは、なぜか?

北朝鮮が2006年10月に初の核実験を行った際、中国は唐家セン国務委員(外交担当)を派遣し、金正日総書記に対して核実験を二度とやらないようにとの胡錦濤主席のメッセージを伝達した。

ところが、唐一行が帰国した直後の労働新聞(10月21日付)に「大国の顔をうかがったり、大国の圧力や干渉を受け入れるのは時代主義の表れである。時代主義は支配主義の案内人で、その棲息の土壌となる」「干渉を受け入れ、他人の指揮棒によって動けば、自主権を持った国とは言えない。真の独立国家とは言えない」と書かれた記事が掲載された。これは、明らかに中国を指していた。

また、三度目のミサイル発射(4月)と二度目の核実験(5月)があった年の2009年にも王家瑞中国共産党対外連絡部長が1月に訪朝し、ミサイル発射の自制を求めたが、結果として、北朝鮮は中国の説得を受け入れなかった。

ミサイルに続き二度目の核実験を強行した北朝鮮は外務省代弁人を通じて、中国を「米国にへつらう、追随勢力」と批判し、「我々の前では衛星発射は主権国家の自主的な権利であると言いながら、いざ衛星が発射されるや国連で糾弾すう策動を行った」と不満を表明していた。

さらに、6月9日付の労働新聞では「小国は大国に無条件服従すべきとの支配主義的論理を認めないし、大国がやっていることを小国はやってはならないとする大国主義的見解も受け入れないのが我が人民だ」と豪語した。翌7月の外務省談話では「米国など6者会談参加国は国連安保理事会を盗用し、我々の衛星発射権利まで白昼に強奪する無謀なことをしなければ、今日のような状態にはならなかった」と北朝鮮に味方しなかった中国に対する不満を露わにした。

それから3年後の今年4月、北朝鮮は「平和は我々にとって何よりも貴重だが、民族の尊厳と国の自主権はより尊い」(外務省声明)との声明を発表し、外交的孤立と国連の制裁強化を覚悟してまで4度目のテポドンミサイルの発射実験を行った。

そして、今再び北朝鮮は国連の舞台で先月、今月と二度「民族の尊厳と国の自主権」という言葉を連呼し、ミサイル発射の動きを見せている。

中国の梁光烈国防長官は今年7月に訪中した韓国予備役将軍代表団との会談の席で「中国は今後、北朝鮮のいかなる挑発も容認しない」と言明したが、中国は今度こそ、止められるのだろうか? 中国の本気度が試される。

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