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谷垣不出馬でほぼ決まった自民党の次期総裁(藤本 順一)

案の定、自民党の谷垣禎一総裁が出馬辞退に追い込まれた。民自公3党路線で消費税増税の大業を成し遂げたにもかかわらず国会終盤、これを否定する問責決議案に同調して自ら再選の芽を摘んでしまった。「オウンゴール」である。

「執行部の中から(石原伸晃幹事長と)2人が出るのはよくない。誰が次の総裁になっても政権奪還の路線と3党合意を軌道に乗せる仕事をはたしていきたい」

谷垣氏は10日の緊急記者会見で不出馬の理由をこう述べている。残念だが致し方ない。

さて、こうなると総裁選の構図はガラリと変わる。

自民党所属議員がこの谷垣氏の言葉を重く受け止めるなら、まずは3党路線を真っ向から否定する安倍晋三元首相の再登板は論外である。

谷垣氏と同じ京都選出で3党合意を牽引した伊吹文明元自民党幹事長も「あと一歩で首相というときに3年間、何も言ってこなかった人が総裁選に名乗り出てくるのは違うんじゃないか」と言う。名指しは避けているが、安倍氏の出馬表明を批判してのものだ。

逆に言えば、谷垣後継の有資格者は石原幹事長、石破茂前政調会長に加え、目立たないが伊吹氏と共に3党合意に尽力した町村信孝元官房長官の3人。ただ、町村氏についてはキャリア、実力申し分ないが、選挙の顔としては石原、石破に見劣りするから事実上、この2人に絞られる。どっちが勝っても自民党の世代交代を印象づける総裁選になるから悪くはない。

ただ、周知のとおり石原氏は町村派オーナーの森喜朗元首相や額賀派オーナーの青木幹雄元官房長官、派閥会長の古賀誠、山崎拓両元幹事長など党実力者の支持を満遍なく得ており、加えて谷垣氏の後継指名を受けて基礎票で石破氏を圧倒する。

石破氏がこの劣勢を跳ね返すには300の地方票で過半数を得るか、石原氏にダブルスコアの差をつけることが絶対条件だが、ハードルは高い。石破氏が目指す脱派閥政治は正しいが、理想と現実は別ものである。

【東京スポーツ「永田町ワイドショー」(9月10日入稿原稿)より】