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”スネに傷”の安倍晋三元首相は石破茂前政調会長を支援したらいい(藤本 順一)

安倍晋三元首相は5日、自民党総裁選出馬に向けて立ち上げた「新経済成長戦略勉強会」の設立総会を開いた。

注目された参加者の数は衆参あわせて計47人。この数字がそのまま総裁選の得票に結びつくわけではないが、同じ町村派から出馬に意欲をみせる同派会長の町村信孝元官房長官や再選を目指す谷垣禎一総裁ら他の有力候補にとってはプレッシャーだろう。

あるいはこれに怖じ気づいた町村、谷垣両氏が不出馬となれば、総裁選は安倍氏と石破茂元防衛、石原伸晃幹事長との三つ巴の戦いとなる。

石破氏はすでに20人の推薦人を確保しており、国会会期末となる今週末にも出馬表明する構えだ。

また、石原氏は4日、出身派閥・山崎派の山崎拓会長との会談で「谷垣総裁が立候補しなかった時は立候補させてほしい」と述べ、総裁選出馬に理解を求めた。

安倍、石破、石原の3氏はタカ派に分類されるが3者3様、一長一短あるあるが、安倍氏は首相として臨んだ前回の参院選に敗北し、腹痛で政権を放り出した記憶が生々しい。余計なお世話かもしれいが、石破氏と政策が近く、支持層が重なり合うのであれば、今回は石破氏の支援に回ってはどうか。

まあいい。総裁選の構図がどうであろうと野田佳彦首相の続投が既定路線の民主党の代表選よりはマシだ。

対抗馬に名前が上がっている原口一博前総務相や山田正彦元農相あたりだと話にならない。どうせなら、民主党結党の原点を思い出すため、鳩山由紀夫元首相と菅直人前首相に再出馬をお願いしたらどうだろう。

もちろん皮肉だが、話のついでにもう一つ。橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が国政進出でもめている。

維新の会は政党要件を満たすため、民主党の松野頼久元官房副長官や自民党の松浪健太衆議ら5人以上の現職国会議員を集めて近く新党を結成する予定だが、これに大阪府議会議員ら結成当初のメンバーが次期衆院選の候補者選定も含め「誰が何を決めているのかさっぱりわからない」と反発。各種世論調査の好調な支持率が、「大阪維新の会」の足並みを乱すとは皮肉なものだ。

もっと言えば、野田首相が今国会会期末の今週末、解散総選挙に打って出るとの話もあった。そうなれば、現職国会議員は即刻失職するから「大阪維新の会」の国政進出は阻まれ、谷垣総裁も続投できたのだが。

【東京スポーツ「永田町ワイドショー」(9月7日修正版)より】