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「もういいよ、まあだだよ」(辺 真一)

一昨日の大阪での金融機関主催の講演でも触れたが、金正恩氏の公式活動が途絶えているのが気になって仕方がない。

金正恩体制は今年元旦から本格的にスタートしたが、正恩氏の公式活動が10日以上も途絶えたのは過去に5回しかない。1月の2~15日までの13日間、3月の14~25日までの11日間、4月の5日~15日までの10日間、そして5月の9-19日までの10間。最も長くて13日間だ。

それが、今月は7日を最後に今日(28日)まで丸3週間経った。18日の金正日総書記の党事業開始48周年記念式典も欠席している。金永南、崔永林、崔竜海、李英鎬ら4人の政治常務委員以下、党及び軍幹部が全員背揃いしたにもかかわらず唯一正恩氏だけが欠席した。

崔永林総理は82歳の老体に鞭を打って、猛暑の中、史上最悪の干ばつで食糧危機が取り沙汰されている農村を回って、農民を激励して回っているのに「国民を二度と飢えさせないようにする」と啖呵を切った正恩氏は最高指導者であるにもかかわらず雲隠れしたままだ。

来月8日は祖父の金日成主席死去18周年の日である。もうそろそろ出てきてもよさそうなものだ。

「もういいよ、まあだだよ」の隠れんぼうをやっているわけでもあるまいし、これ以上長期不在が続くと、本気で「健康不安説」が取り沙汰されることになるだろう。