ノーボーダー・ニューズ/記事サムネイル

19日間も出てこない正恩(辺 真一)

先週は埼玉、広島、岐阜、静岡を回り、昨日帰京。北朝鮮問題絡みでめずらしく週刊誌から電話があった。韓国で伝えられている正恩氏の「飲酒中に卒倒した」との情報に関しての問い合わせだ。

これが、極秘情報なのか、あるいはいつもの怪情報なのか、定かではない。

この情報を「産経新聞」だけが唯一伝えていたが、同紙によると「正恩氏は昨年12月に死亡した金正日総書記の葬儀・告別式の後に開かれた内々の酒席で酒を飲み、意識を失った。医療チームは直ちに専門医を手配し中国からも医師を招いて対処。精密検査の結果、心臓に疾患を抱え、さらに糖尿病であると診断されたと伝えられた」とのことだ。

20代の若者が飲みすぎで意識を失うのは、日本でもよくある話。難病を治療するわけでもないのにこの程度で外国から医者を呼ぶと言うのも変な話ではないか。

「その後、正恩氏は多くの現地指導をこなしており表面上、健康に関する異変は把握されていない」とのことだが、むしろ、現地指導は病弱だった父親に比べて少ない。そのことを本来、問題にすべきだ。

新体制発足後から金正恩氏の動静を綿密にチェックしているが、気になっていたことがあった。

ここ3か月間の現地視察の間隔を調べてみると、3月は外出は6日間と少なく、14日から25日までの11日間、25日から4月4日までの10日間、外出を控えていた。

4月は金日成主席生誕100周年行事もあってさすがに11日間と増えていたが、それでも5~15日までの10間、20~25日までの5日間外出がなかった。

先月(5月)も外出回数は10回だが、9日から19日までの10間、5月31日から6月6日までの6日間外出がなかった。

そして今月は何と、まだたったの2回だけだ。祝賀演説を行うため6日の朝鮮青年団創立記念大会に出席し、翌日の7日に少年代表らと記念写真を取ったこの二日間だけだ。今日現在19日間にわたって公式活動が途絶えたままだ。休養を取っているのか、何か次の手を考えているのか、これまた定かではない。

それにしても、父親の金正日総書記の死去するまでの活動と比べてみると、「人民の指導者」としてアピールしようとしている割には公式活動が少なく過ぎる。父親よりも40歳も若いのにである。

金正日総書記の倒れるまでの過去3か月を比較しても一目瞭然だ。

金総書記は10月は18回、11月は13回、12月は17日に急死するまで7回とほぼ二日日に一度の割で現地視察に出かけていた。そしてその多くが地方視察だった。

金正恩氏の場合、板門店や東西の軍要塞など視察に行っているが、ほとんどが平壌及びその近郊に限定されている。もしかして、どこか悪いのだろうか?