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野田首相、元自衛官を防衛大臣にしたことで官僚の操り人形であることが明らかに!(日隅一雄)

野田首相の内閣改造で、防衛大臣に森本敏氏を民間人として登用したことを史上初として、大きく報道している。しかし、森本氏が元自衛隊員であることの問題性をこそ指摘するべきではないだろうか。憲法は、大臣には文民を充てるべきだとしている。この文民が何を指すか、元自衛隊員が文民なのかどうかについては、争いがある。というのは、憲法制定当時、軍隊(自衛隊など含む)は存在していなかったにもかかわらず、あえて、文民規定をおいたのは、元軍人を排除するためだという見解もあるからだ。

現在の解釈では、元自衛隊員は文民だとされるが、それでも、軍部の独走を防止するという文民規定の趣旨からはできるだけ避けるべきであることははっきりしている。

しかも、自衛隊が設置された後、自衛隊は組織としては防衛庁として、内閣府のもとにあったが、最近になって、防衛省として独り立ちしてしまった。

独立後、米軍再編で、露骨なムチと飴政策を採用するなど、防衛省は時折暴走しているが、時の政権はこれに歯止めをかけることができないままだ。

森本氏は、防衛省となった後、初めての自衛隊員経験者からの大臣登用となる。

武器を輸出しないという原則の見直しが行われ、海外に自衛隊の基地が設置されるなど、自衛隊はどんどん普通の軍隊となっている。世界は経済的な結びつきがますます強固となり、軍隊の必要性が薄まっているにもかかわらず…。

公安は、その存在価値を示すために、事件をでっち上げることすらする。デモでの転び公妨(自ら転んでおいて公務執行妨害で逮捕すること)などは典型的だ。

もし、自衛隊が、その存在価値を示そうとしたらいったい何をするのだろうか…。

また、自衛隊などの組織では、当然、階級がものをいう。三佐までしかの経験しかない森本氏が自衛隊幹部の望みに歯止めをかけることができるのだろうか…。

そういう危惧がすぐに頭をよぎるにもかかわらず、森本氏を認容した背景には、自衛隊の希望があるとしか思えない。自衛隊が作成した希望リストに入っていたのだろう。しかし、まさか、森本氏が採用されるとは、と一番驚いているのは、自衛隊幹部かもしれない。

今後、防衛省が沖縄基地問題で暴走しないことを願う。