野田首相、批判は甘んじて受け入れるという台詞を吐く前に(日隅一雄)
自民党の質問に答える野田首相は、総選挙で勝利した際のマニフェスト作成時点で予算の見通しが甘かったことを批判されれば、それは甘んじて受け入れるという答弁をした。しかし、①見通しはこういうものだった、②それに向けてこれだけの努力をした、③ところが、これこれという理由でこれだけしか実現できなかった、という説明をしてましたっけ?
その説明もしないで、批判を甘んじて受け入れるなんて格好いい台詞を吐く権利はないですよ。まず、説明責任を果たせ!
国会議員が聞かないなら、有権者が直接、聞くしかない。私は次のような内容の公開質問状を出そうと思う。アドバイスをお願いします。
●●公開質問状●●
現時点の党代表かつ総理大臣殿
政権奪取時の党代表殿
その後の党代表殿
冠省 私は、総選挙時の民主党のマニフェストに大きな期待を抱いている有権者です。そして、野田首相が、その期待を裏切ろうとしていることに憂慮している者でもあります。
憂慮の理由は、消費増税を行うのは、社会保障を持続可能で充実したものにするためだという趣旨の答弁をし、そのための財源を増税なしに行えると考えていたマニフェスト作成段階での見通しが甘かったと批判をされるのであれば、その批判は甘んじて受けいれるという国会答弁をしていることです。
批判を甘んじて受け入れる前に、まず、見通しが甘かったということについて、説明をする義務があるのではないですか?
ある公約を政権奪取後、守れない、ということになったのであれば、当然、なぜ、守れないのかの説明をする必要があるはずです。
財源の見通しが甘かったというのであれば、(1)見通しによればこれだけの財源をこういう方法で獲得できるはずであった、(2)そして、民主党はそれらに向けてそれぞれこれだけの努力をした、(3)ところが、それぞれについて、これだけの財源しか確保できなかった、(4)その理由はそれぞれについてこういうものであった、という説明をするべきであることは明白です。
その説明をしないで、消費増税を図ろうとしているからこそ、有権者の過半数は増税案に反対しているわけです。端的に言えば、官僚が絡んだ利権構造を維持したままで、納税者らの負担を増やそうとしているのではないか、という大きな、大きな疑惑を抱かざるを得ないからです。
そこで、野田首相に、上記の(1)~(4)について、回答するよう求めます。見通しが甘かったという批判を受け入れると答弁されている以上、すでに、(1)~(4)の内容については、固まっているはずでしょうから、この文書が届いてから1週間以内に、回答を発送して下さい。
なお、野田首相の答弁について、政権奪還時のマニフェストに最も責任のある鳩山氏及びトロイカの一角を占めた菅氏はどのように考えているのか、を明らかにしていただきたい。すなわち、(A)マニフェストにおける財源の見通しが甘かったと考えられているのかどうか、(B)甘かったと回答される場合、上記(1)~(4)について、回答をいただきたい、(C)甘くはない、と回答される場合、なぜ、甘くはないと考えるのか、すなわち、まだ財源を確保することが可能と考える理由とその方法を明らかにしていただきたい。
お二人については、急なご質問かもしれないので、本書面が届いてから2週間以内にご回答いただければ幸いです。
なお、私は、個人的に、「情報流通促進計画」(url)というブログで情報を発信するとともに、弁護士らが中心になって情報を発信している「News for the People in Japan」という情報サイト(url)の編集長をしておりますので、本公開質問状についても、それらを通じて公開するとともに、回答状況についても公開しますので、ご了承下さい。
不一
●●内容証明案は以上の通り●●
アドバイスは、22日いっぱいでお願いします。23日には発送しようと思います。もし、趣旨に同意していただけるならば、内容証明郵便で、とまでは言いませんので、冒頭のようにネットで意見をいう方法がありますし(※1)、野田首相の議員としての事務所(※2)などへのFAXという方法もありますので、それらを使って、市民としての当然の権利である説明を受ける権利を実現しましょう!