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コンセンサス会議は、市民の意見を反映する効果的な手法(日隅一雄)

コンセンサス会議って聞いたことがありますか?私は、最近まで知りませんでした。神保さんが代表をしている日本ビデオニュースの番組「マル激トーク・オン・デマンド」で、鼎談相手の宮台さんから、審議会を民主的な者にする方法の一つとして紹介してもらったのです。

このコンセンサス会議は、デンマーク発祥のシステムで、食物への放射線照射の可否、食品や環境に対する化学物質の規制方法などの科学的な知識が不可欠の重要な論点について、公募で選ばれた市民パネルが専門家による説明や専門家に対する質疑応答などを踏まえて、討論を重ね、合意に至るように努力して結果を公表するというものです(詳細は※1)。

※1 http://www.ajcost.jp/index.html

専門家に判断を委ねるのではなく、専門家パネルを構成する専門家の説明を受けつつ、市民パネルを構成する市民だけで判断するというものです。専門家パネルには、必ず、その問題について賛成派と反対派を入れ、偏った結論にならないように心がけます。

デンマークでは、この市民による結論がそのまま政策となるわけではありませんが、国会での議論で尊重されるようです。専門家パネルには、市民パネルに分かるように説明することが要求されますから、専門用語を用いて煙に巻くということはできませんし、そこでなされた説明は、多くの市民にも理解できるようなものになるため、パネル以外の市民も意見を持つことができ、さらに、意見を述べる機会も与えられます。

今回の原発事故においても、食品への含有量、再稼働の可否などの判断をする際に、有効なシステムではないでしょうか。日本での採用を急いで検討するべきシステムだと思います。

そこで、News for the People in Japan(NPJ)の連続企画「編集長連続対談~無制限10本勝負」で取り上げることとなりました。そして、このシステムの理解をより深めるため、単にその内容を紹介するだけではなく、実際に模擬会議を行うことにしたのです。

当日は、アドバイザーとして宮台真司さんにお越し頂きます。また、市民パネルには、NPJのメンバーのみならず、読者、視聴者も参加しています。

なお、本来は、冒頭の図のように時間をかけて討議しますが、今回は時間の制約上、結論については方向性を決めて行います。しかし、内容については台本はありませんので、白熱した議論が市民パネルの間で行われると思います。

インターネットメディアによる中継も 行われる予定です。詳細が決まれば、この記事に追記します。

海外で市民の声を反映させるためのシステムがいかに工夫されているかを少しでも紹介でき、日本でも工夫しようという機運が広ればいいな~と思っています。8日午後6時半から始まります。ぜひ、ご試聴ください。